2015年、ビッグデータが活用される業種別経営課題…日本テラデータ吉川社長
日本テラデータ「2015年事業戦略発表 記者会見」左からテラデータ・コーポレーション共同社長ハーマン・ウィマー氏、日本テラデータ 代表取締役社長吉川幸彦氏、テラデータ・ラボ プレジデント スコット・ナウ氏。《撮影 北原梨津子》
3月5日、日本テラデータ代表取締役社長吉川幸彦氏が「日本におけるビッグデータ活用動向、日本テラデータの取り組み」と題し日本の企業が抱える経営課題を中心に講演を行った。
吉川氏は日本の顧客が現在取り組む経営課題を「金融」「小売り」「製造」「通信」の業種別に整理。
金融ではリテールバンキングを中心に、より早く顧客を知ることが重要になっている。「ネットバンキング、リアル店舗の双方を顧客がどのように利用しようとしているのかを含めリアルタイムで行動を把握していくことが必要で、リアルタイムで分析できることは不正の検知にも役立つ」(吉川氏)。
小売では「オムニチャネル顧客行動分析」の重要性はこれまで指摘されてきたが、“オムニチャネル”自体の定義がバラバラだった。しかし今年はオム二チャネルの定義や共通理解が顧客の中で浸透した年だったと説明する。「今後はオムニチャネルを活用するにあたり、どういったチャネルで、またそれぞれのチャネルに対してどのように適切なリコメンデ―ションをしていけるかが重要となる」と吉川氏は指摘する。
製造では現場のデータ(工場内で起動しているマシンについているセンサーから採れるデータや、クルマの場合には走っているクルマに関するデータ)を使った新たなサービスを展開する動きが起きている。通信ではネットワーク稼働履歴と顧客情報の統合により設備投資に関する経営判断への活用が進んでいる。「通信施設の設備投資においてどこを重点的にしていくべきかを判断するための活用が始まっている」と吉川氏。この他通信体感品質などのカスタマージャーニー分析などへ利用されるという。
総じて日本企業のあいだで「今までの部分的・一面的な分析では見えなかったことが見えてきている、ビッグデータとともに既存の自社内のデータをぶつけあわせて新しい知見を手に入れようとする」動きがみられ始めているとコメントした。
- 北原 梨津子