【スズキ アルト ターボRS 発売】歴代スズキ・スポーツの系譜を振り返る[写真蔵]
スズキは新型軽自動車『アルト ターボRS』を3月11日に発売した。アルトのターボモデルは、2000年末に『アルトワークス』がラインアップから消えて以来、15年ぶりの復活となる。
初代は1987年2月に発売。発売当時、軽自動車ながらDOHC3気筒4バルブインタークーラーターボエンジンを搭載し、64馬力を発揮。アルトワークスの登場により、軽自動車の出力規制が設定されるほど、世間に与えた衝撃は大きかった。
翌年の1988年9月に『アルト』が3代目へとモデルチェンジ。標準モデルが横長のヘッドランプを採用したのに対し、ワークスは丸型の2灯ヘッドランプにエアロパーツを装備。差別化が図られた。
1990年3月のマイナーチェンジ時には、新規格化に伴いエンジンが660ccにサイズアップ。それまではバンモデルをベースにしていたが、乗用5ナンバーモデルへと変更された。
1992年6月には「ワークスR」を追加。全日本ラリー選手権で闘うためのラリー仕様車と言えるモデルで駆動方式は4WDのみ、クロスレシオ化されたミッションや専用タービンなどを装備し、バン用のリアシートを採用するなどの軽量化が行われ、車両重量はベース比-20kgの680kgであった。
1994年11月にアルトが4代目へとフルモデルチェンジ。これに合わせ「ワークス」の上級グレード「RS/Z」には新開発のオールアルミ製3気筒DOHC12バルブインタークーラーターボ「K6A型」エンジンが搭載された。1995年には先代に設定された「ワークスR」もラインアップに加わった。
1998年には軽自動車規格が改正されアルトが5代目へと進化。合わせてワークスも新型となり、エンジンには可変バルブ機構を搭載し戦闘力の向上が図られた。しかし2000年のマイナーチェンジの際にワークスが廃止。その名は、2年後に登場する『Kei ワークス』に引き継がれた。
アルトワークスの廃止後、「Kei スポーツ」が実質的にその後継を担っていたが、ベース車両である『Kei』が2002年11月のマイナーチェンジを受ける際にワークスが追加された。4輪ディスクブレーキや15インチアルミホイール、レカロシートなどを装備し、外観も大幅な変更が加えられた。
Kei スポーツ登場の翌年、同社の小型ハッチバック『スイフト』をベースとしたスポーツモデル「スイフト スポーツ」が登場した。専用エアロパーツやアルミホイール、115馬力にチューニングされた1.5リットルNAエンジンを搭載。
スズキは2002年から「イグニス スーパー1600」の名でジュニアWRCに参戦。ヨーロッパでは「イエロー・バレット(黄色い弾丸)」と呼ばれ、2004年には同車を駆るパー・ガンナー・アンダーソンがドライバーズチャンピオンを獲得した。
2005年にはスイフトスポーツが2代目へと進化。エンジンがJWRCと同じ1.6リットルとなり、ボディも3ドアから5ドアへと変更された。同年、JWRC参戦車両も2代目ベースとなり、シーズン後半から実戦投入された。
2008年よりスズキは『SX4』をベースにWRCへと参戦を開始。第3戦で優勝を果たすも、リーマンショックの影響により、シーズン終了後に参戦休止を発表した。
参戦を休止したスズキだが、2011年にはスイフトスポーツが3代目へと進化。スズキとしては初となる6速MTの採用や、可変吸気システムの採用など数多くの変更が加えられた。シャシーにも改良が加えられ、市場で高評価を受けていた走りに、より一層磨きがかけられた。
- 編集部