【スーパーフォーミュラ】初戦終えた可夢偉「想定内であり、想定外なことも起きた」
19日に決勝レースが実施された「全日本選手権スーパーフォーミュラ」(SF)の今季開幕戦。注目の“ルーキー”小林可夢偉が、9位という結果だったデビュー戦をレース直後、僚友・平川亮とともに振り返った。
F1ドライバーからの転身、しかも国内トップカテゴリーへの参戦は今年が初めてということもあり、可夢偉はシーズンオフのテストから注目を一身に集める存在となった。開幕戦でも多くのファンが、可夢偉が所属するKYGNUS SUNOCO Team LeMans(搭載エンジンはトヨタ)のピット裏に集まり、列を成していたほどである。
そんななか、前日の予選ではサストラブルを抱え、Q2敗退の10位に終わった可夢偉。「予選から流れがわるくなってしまった」わけだが、決勝日もその連鎖は止まらなかった。スタートでは「自分の出足はすごく良かったんですよ。でも目の前の(8番グリッドの国本)雄資がストールしたみたいで、もろに影響を受けました。なんで俺の前で、という感じでしたね」。
「鈴鹿でああなる(出遅れて集団に埋もれる)と、タイム差も僅差なレースだけに、上がっていくことはなかなか難しい。もちろん初戦なんで、タイヤの保ちだったり、まわりとの駆け引きだったりが分からない部分もあるなか、ある意味では想定内なんですけど、想定外のことも起きて、(ひとことで言うなら)悲惨でした(苦笑)」
燃費的に最も早いタイミングでピットインして給油&タイヤ交換という作戦を「決め打ち」で敢行したものの、大幅なポジションアップまでは果たせず。終盤、遅めのタイミングでタイヤ交換したマシンからの追撃を受けると、ポジションを守れなかった場面も。「タイムが(タイヤの状態が)あれだけ違ってしまうと、無理です」。ただ、そういう戦いを経て「タイヤが意外に保つことや、レースペースをもうちょっと上げないといけないなどの課題、詰めなければならない点も見えてきました」とのことである。
次は岡山国際サーキット戦になるが、オフから開幕前のテスト結果を踏まえた場合、「岡山の方が(鈴鹿より)いいデータもあるし、自信もあります。次は、ポイント、ポイントで(重要なところで)しっかり結果を出していくようにしたいですね」。
一方、可夢偉の僚友である平川も開幕戦鈴鹿は予選15位、決勝12位と満足できない結果に終始してしまった(ピットでの給油時にストールもあった)。だが、「レースでも単独で走った時のペースはトップとも変わらないくらいでしたし、僕はタイヤ無交換作戦を採ったんですけど、そのわりに(後半の)ペースは悪くなかったとも思います」と、平川は担当エンジニアが代わっての今季初戦で得られた成果も強調している。
次の岡山では4月初旬のSUPER GT(GT500クラス)でポールを獲得して優勝を飾ってもいるだけに、「好きなコースですし、地元の広島からも近い。土曜朝のフリー走行から上位にいけるようにして、予選でも上位に入りたいですね」と平川は目標を語る。まだ21歳だがSF参戦は今季で3年目。可夢偉より先に初優勝して、一気にチャンピオン争いにも名乗りを挙げていきたいところだ。
兵庫県尼崎市出身の可夢偉にとっても岡山は準地元ともいっていい地であり、2戦目での本領発揮となることを多くのファンが望んでいる。SF今季第2戦岡山は5月23〜24日。岡山県を挟むように出身地を有するTeam LeMansの注目コンビが捲土重来を期す。
- 遠藤俊幸