【CAPAS 2015 成都】自動車産業は「ゴー・ウエスト」…いま求められるアフターサービスの充実
中国・四川省の成都で21日、「中国成都国際自動車用品&アフターマーケットサービスショー(CAPAS)」が開幕した。中国西南部へと拡大しつつある自動車産業の波に乗り、生産拠点を設けるメーカーと沿岸部ほか各地域からの参入を計るサプライヤーを結びつけることがねらいだ。
成都は、上海、北京に次ぐ大都市であると同時に、中国国内では北京、重慶に次いで3番目に自動車保有が多い都市。生産においても拡大を続けており、2014年は四川省だけで91万7000台の完成車を生産。2000億元市場へと成長している。これは前年比で16.6%増と、中国全土の平均伸び率9.5%と比べても高い成長率を示しており、四川省だけでなく中国政府としても大きな可能性を見いだしている。
2014年の開催に次いで今回が2回目となるCAPAS。テーマは昨年と同じく、「ゴー・ウエスト(西へ)」をかかげ、自動車産業の西南部への進出・拡大をサポートするのがねらいだ。出展社は昨年比10%増の668社。主催者によると、今回特に目玉となるのは「商用車向け部品」「オイル」「電子システム」「補修」「美容(洗車・コーティング)」の5つだという。自動車保有の高まりに伴って、趣味で自動車を楽しむ人も増えており、アフターサービスの充実が求められている。
現在四川省だけで、補修系メーカーが約2万4000社、美容系メーカーが約1万5000社、カスタムサービスなどで約5万社以上にものぼるそうで、今回のショーでも来場者の関心を集めていたのはこうしたアフターサービス関連製品や技術展示などだった。
また、欧州など外資系ブランドも四川省でのビジネスに可能性を感じており、ブースが散見された。中でも「美女洗車」と題し、会場内で実車の洗車をおこなうという派手なデモンストレーションで注目度抜群だったのは、欧州シェア7割を誇るドイツの洗車用品ブランド大手SONAX。2007年に中国市場に参入した当初は全く売れなかったというが、2014年は中国で4000万元を売り上げるまでに成長した。だが、「まだ満足にはほど遠い」という。「1.2億元が目標です。市場はまだまだ伸びていますからね」(同社担当者)。
西南部への自動車産業の拡大は、ネパールをはじめとする周辺各国への輸出も視野に入れた中国政府の一大戦略「西部大開発」の一環でもある。沿岸部から押し寄せる「ゴー・ウエスト」の波が、どこまで届くのか目が離せない。
CAPASは23日までの開催。主催は、IFFAやautomechanikaなどを主催するドイツ系のメッセフランクフルト上海社とCCPIT-AUTO、CCPIT四川の3者。3日間で2万人の来場者を見込んでいる。
- 宮崎壮人