【人とくるまのテクノロジー展15】トヨタ アル/ヴェル、VIP &ファミリーでシートを作り分け…トヨタ紡織
トヨタの新型『アルファード』『ヴェルファイア』のシート周りの開発・製造を担当したのがトヨタ紡織だ。両車に設定された最高級グレード「エグゼクティブラウンジ」は、700万円を超えるショーファー仕様で、セミアニリン本革シートや前後140mmの伸縮調整が可能なパワーオットマン、さらにオリーブ・アッシュバール杢柄の3D木目調パネルをあしらう。
担当者は「アルファード/ヴェルファイアという大きな箱を使って、いかにおもてなしができるのかということを考えてこういった製品を考えました。ソファのような触感。ゆったりとした体勢で快適にリアモニターをご覧いただくことができます。調光機能やシート送風機能、パーソナルテーブルも備えて、シートには100V電源のコンセントも用意しています」。これまで『クラウンマジェスタ』やレクサス『LS』といったセダン系のショーファーモデルを置き換える形で人気を博しているという。
また、ファミリー向けの主要グレードには助手席スーパーロングスライドシートを採用。これは、助手席シートが最大1160mmまでのスライドが可能というもので、セカンドシートと同一レール上にシートを設置することで大幅にスライド量を拡大している。シートサイドのスライドレバーを引くことで、セカンドシートに近い位置まで移動が可能だ。
前席とセカンドシートで異なる安全法規が適用されるため、移動時はフロントエリア最後端で一旦停止させる機構を持たせている。再度レバーを引けばさらに後方への移動が可能だ。
同社ブースではこのほか、燃料電池車(FCV)などに採用された表皮一体工法によるシート、金型から製造する強みを活かしたハイブリッドシステム用モーターコア、ラウンドリクライナー、ヘッドカバーなどを出展した。
- 北島友和