【GARMIN Oregon 650TCJ2 インプレ前編】スマホ感覚で使えるタフネス ハンディGPS

テクノロジー レスポンス

どんな山奥にいても、原野の真ん中や海上にいても、現在位置や方角が瞬時にわかるのがハンディGPS。スマホでもGPSは使えるが、過酷な登山を想定して作られた専用モデルは、スマホとは根本的に違う。山には山が似合うGPSがあるのだ。そのハンディGPSの定番モデルであるGARMINの「Oregon 650 TCJ」が650 TCJ2へとバージョンアップした。

◆タフネスと簡単操作を両立したOregon

登山やトレッキングが中高年や若い女性のあいだで注目を集めるようになって、すでに数年が経過している。このブームは収束するどころかますます広がりを見せているようで、最近ではノルディックウォーキングのような新しいスタイルの山歩きも人気を集めている。そんなアウトドアアクティビティの必需品として、多くの人に愛用されているのがハンディ(ハンドヘルド)GPSだ。

ハンディGPSはその名の通り、手のひらサイズのGPSレシーバー。現在位置の測位、方角や高度の測定、地図の表示といったことができる。本格的な登山では生命を守るための大切な装備であり、気軽なトレッキングでは楽しさを倍増させてくれる便利な小道具。いずれにしても山歩きのマストアイテムとしてすっかり定着している。

本格的な登山はともかく、趣味の範囲ならスマホで代用できるのでは? と思う人も多いだろう。たしかにスマホを山歩きに活用している人も多いが、しかし、スマホとハンディGPSの違いは非常に大きい。それについては、ここで取り上げる「Oregon 650 TCJ2」の様々な機能を紹介しながら触れていこう。

さて、本機は本格的な登山にも使用できる多機能かつヘビーデュティなハンディGPSだ。本体は側面が衝撃を吸収するラバーになっており、いかにも頑丈そうな作り。防水仕様(IPX7)となっているのはもちろん、動作温度もマイナス15-70度とワイドになっている。しかし、その外観は小さく、丸く、ソフトなイメージ。ほとんどの機能をタッチパネルで操作できるようになっており、ストラップホールまで備えるなど、まるでスマホのような使いやすさだ。このように過酷な条件で高い信頼性を発揮する堅牢さと、スマホのようなフレンドリーさを兼ね備えているのが、Oregonシリーズの真骨頂といえる。

なお、本機はOregon650TCJがバージョンアップしたモデルだが、その内容はプリインストールされている地図「日本登山地形図(TOPO10MPlus)」がV3へと更新された。ハードウエアとしては変更点はない。

◆コンパクトなボディにマルチタッチ可能なタッチパネルを搭載

本機のサイズは縦114mm・横61mm・厚み33mmで、縦横はスマホより小さく、厚みは大きい。ガラケーを一回り大きくしたくらいのサイズといえば分かりやすいだろうか。厚みがあるのは、電源として単3電池を2本格納しているためだ。本機はアルカリ乾電池使用時で約16時間の駆動が可能となっている。単3電池は充電式のリチウムバッテリーよりも大きく、寿命は短い。しかし、世界中どこでも容易に入手でき、予備を持っていけばいつでも簡単に交換できるというメリットがある。スマホのようにバッテリー切れで立ち往生してしまうことがないのだ。

ディスプレイは38mm × mmミリ、約3インチ相当のサイズで、解像度は240×400pixとなっている。スペックだけを見れば解像度が低いようだが、本機の用途ではこれで十分といえる。このディスプレイはタッチパネルになっており、ほとんどの操作はタッチ操作で行う。本体にあるボタンは電源ボタンとユーザーボタンの2個だけだ。また、このタッチパネルはスマホと同じ静電容量式を採用しているので、ドラッグやマルチタッチも可能となっている。

実は、ハンディGPSのようなアウトドアで使う機器では、タッチパネルとして感圧式が採用されることが多い。感圧式のほうが低コストだし、なんといっても手袋をしたまま使えるメリットがあるからだ。手袋をしていてスマホの操作ができず、イライラした経験のある人は多いだろう。ところが、本機は静電容量式でありながら、手袋をしたままの操作が可能となっている。これはかなり凄いことで、実際にやってみると感動すら覚える。

また、電源ボタンとユーザーボタンには合計5種類の機能を割り当て、ダブルタップや長押しの操作で呼び出せるようになっている。これも非常に便利だ。実用的なタッチパネルと追わせて、操作性については非常に煮詰められている印象を受ける。ハンディGPSで長い歴史を持っているGARMINだけのことはある。

本体には他に8Mpixのカメラ、フラッシュやライトとして使えるLED、USB端子、付属のカラビナストラップを固定するマウントアングルが装備されている。また、バッテリーを外すとMicroSDカードスロットがあり、GPSデータや写真を保存するカードを挿入することができる。

  • 山田正昭
  • いかにもGARMINらしい飾り気のない外観。高級感ではなく高品質感を漂わせている。《撮影 山田正昭》
  • 裏面は丸みがあり、分厚い本体であっても握りやすい形状となっている。《撮影 山田正昭》
  • 真横から見るとやはり厚みを感じざるを得ない。2つの膨らみは電源ボタンとユーザーボタン。《撮影 山田正昭》
  • 静電容量式タッチパネルは表面がガラスなので汚れやキズがつきにくい。感圧式のように使い込むと白っぽくなることもない。《撮影 山田正昭》
  • ボディ下部のラバーのフタを開けるとUSB端子がある。《撮影 山田正昭》
  • 本体裏の上部にはカメラのレンズLEDが並んでいる。《撮影 山田正昭》
  • バッテリーを交換するには、Dリングという金具を90度回して、裏蓋全体を外す。《撮影 山田正昭》
  • バッテリーは単3を2本。設定メニューに「アルカリ」、「ニッケル水素」といった選択項目があり、バッテリーの特性を加味して残量表示などができるようになっている。《撮影 山田正昭》
  • バッテリーを外すとMicroSDカードスロットがある。ただしカードは必須ではない。本機は内部に8GBものメモリがあり、それだけでも十分実用になる。《撮影 山田正昭》
  • このような分厚い手袋をしていても、支障なく操作できる。スマホには真似のできないことだ《撮影 山田正昭》
  • LEDは写真撮影時のフラッシュとして使えるだけでなく、ハンディライトにもなる。SOS信号を点滅させることも可能だ。《撮影 山田正昭》
  • 付属のカラビナストラップをつけると、ベルトなロに簡単にぶら下げることができる。《撮影 山田正昭》
  • メイン画面は4つのアイコンが並ぶだけのシンプルさ。押し間違いを防ぐための配慮でもある。《撮影 山田正昭》
  • 本体を横向きにすると、メニューもランドスケープへと切り替わる。《撮影 山田正昭》
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