VWジャパンの販売店女性スタッフ制服、インスピレーションは「ゴルフのボンネットのライン」
フォルクスワーゲン(VW)グループジャパンは6月11日、系列販売店の女性スタッフの制服を全国で統一し、10月から導入すると発表した。制服を全国統一するのは自動車業界では初めて。またVWとしても日本だけの取り組みになるという。
VWグループジャパンの庄司茂社長は同日都内で「現在のVWは白を基調としたシンプルですっきりとしたデザインのショールームになっている。日本中どこでもVWの販売店であるということが、遠くからでもすぐにわかるようになっている。店舗の見え方に統一感を持たせる活動にめどが立ったところで、次に着手したいと思ったのが、全国統一のVWらしい接客とおもてなし。そこでショールームの顔である女性スタッフのユニフォームを全国統一することにした」と述べた。
制服を全国統一するにあたっては、全国の販売店から選ばれた12名の女性スタッフで構成するプロジェクトを発足し、「実際に着用する人たちの声を聞き、アイディアを反映させたい。VWにとってふさわしいユニフォームとは何か、働きやすいユニフォームとはどんなものか、地域性も考慮しながらディスカッションを重ねてきた」と庄司社長は振り返った。
全国統一の制服は、デザイナーの江角泰俊氏が手がけたが、庄司社長によると「東京コレクションレベルで独自の活動をされている4名のデザイナーに基本デザイン画を描いてもらって、プロジェクトメンバーに見せたところ、江角さんのものがダントツだった」ことで決まったという。
一方の江角氏は「自分自身、ユニフォームをデザインしたことがなかったので、是非チャレンジしてみたいと思った」とした上で、「VWのショールームに直接行って、店舗の建築イメージやカーデザインをみたり、女性スタッフにユニフォームの現状をいろいろと聞き出して、インスピレーションになるものを探った」と明かす。
中でも「とくに注目したのが
『ゴルフ』のボンネットのライン」で、「ゴルフのボンネットのラインは昔のクラフトマンシップのところからも来ていて、合理性や生産性も関係していると聞いていたので、そこに集中してインスピレーションのもとにした」という。
この結果、「ジャケットの中心をずらすことで、シルエットはスタンダードだが、ひとつシンプルかつ大胆なデザインを制服に落とし込んだ」制服に仕上がったと江角氏は解説していた。
- 小松哲也