トラック・バス用タイヤを無駄なく使い切る、ミシュランの「3R」とは
リトレッドされたタイヤ(手前)。ミシュランTBタイヤのリトレッドは自社製トレッドを使用し、熱でタイヤに悪影響を与えない接着により、独自のクッションラバーとともに加硫される《撮影 丹羽圭@DAYS》
日本ミシュランタイヤは7月2日、トラック/バス(TB)タイヤ事業で訴求・推進している「ミシュラン3R」のメディア向け説明会と見学会を株式会社中部タイヤセンター(名古屋市)で行った。
ミシュラン3Rとは、同社のTBタイヤの特徴であるロングライフ性能を最大限に引き出すためのソリューション。物流会社のタイヤコスト削減に貢献し、結果的に環境負荷も低減できるというのがセールスポイントだ。ミシュラン3Rはその名の通り、以下に挙げる三つのRからなる。
一つめは、タイヤそのもののロングライフ性能によるタイヤ経費の低減「リデュース」。二つめは、溝の浅くなったタイヤをリグルーブする(溝を彫り直す)ことで、タイヤ寿命を伸ばし、安全性や燃費性能も高める「リユース」。三つめは、すり減ったタイヤにトレッドを貼り付けることで(リトレッド)、タイヤケーシングを再利用する「リサイクル」だ。
リグルーブでは新品の10%のコストでライフが25%伸び、リトレッドでは新品の60%のコストでライフが90%伸びるという。また、ミシュランのTBタイヤは、リグルーブやリトレッドが前提で開発されており、例えばアンダートレッド(溝底部とスチールベルト間のトレッドゴム部分)は分厚く、リトレッドには自社製トレッドゴムを使用する。
同社TBタイヤ事業部リトレッドマーケティングマネージャーである石井ミオさんは、「リグルーブとリトレッドの両方を行った場合、それらを行わなかった場合に対して21%のコスト削減と、40%の原材料削減が期待できる」と話す。また、同社のデータによれば、あるユーザーはミシュラン3Rの導入によってタイヤ経費を50%削減したという。
ただし日本市場では、欧米に比べてリグルーブ&リトレッドが普及しておらず、例えばリトレッドに関しては約20%に留まっている。同社は3Rを訴求・推進することで、ミシュランTBタイヤの強みを日本市場でも最大限に発揮したい考えだ。
- 丹羽圭@DAYS