いすゞ乗用車80年の歴史…徳川幕府の造船所がルーツ? 三樹書房

モータースポーツ レスポンス

『いすゞ乗用車 1922-2002』

著者:当摩節夫

発行:三樹書房

価格:3000円+税

ISBN978-4-89522-666-0

いすゞ自動車が1992年に、メイン事業をトラック等の商用車の生産にシフトするという経営判断を下すまで、いすゞの乗用車は日本のモータリゼーションを黎明期から歩んできた。いすゞ乗用車のルーツと歴史を振り返る2013年初版の本書が、いすゞ自動車創立80周年を記念したカバーデザインで新装された。

第一次大戦後の好景気から昭和初期にかけての、日本における自動車需要の開花と国内生産の確立。その中でのいすゞ自動車の生い立ちと、そこから世に出されたクルマ達を、当時の仕様やカタログデータを交えて紹介する。時代背景といすゞの技術開発および戦略を細かく感じ取る事ができる一冊だ。資料としても価値のある濃い内容になっている。

特に、日本の自動車産業界を取り巻く政策や経済、輸出入に絡む海外メーカーの状況など、当時の情勢や思想も辿りながら構成されているので、読者は置いてけぼりになる心配はない。

例えば、ガソリンエンジンより新しい技術であるディーゼルエンジンを長年研究し、オイルショックの際には、安価な軽油を使用する小型軽量なディーゼルエンジンを搭載した『ジェミニ』をヒットさせる。それまで、商用車に積まれる“重いうるさいエンジン”というディーゼルのイメージを払拭した。“乗用車ディーゼル”が市民権を得たのは記憶に新しく、いすゞ自動車の功績として再認識させられる。

また、後半は伸べ100ページ以上にもわたって、フルカラーでめぐるカタログが解説と共に紹介されている。『べレット』や『ピアッツァ』、『アスカ』、そしてジェミニなど往年の名車の写真が、思わずニヤリとしてしまうキャッチコピーと共に読者を楽しませる。

著者である当摩節夫氏が記しているが、膨大な量の資料の中から取り上げるテーマを検討した結果、セダンとクーペに焦点を絞った内容とし、ワゴンやSUVなどは割愛されている。しかし、そこからは氏のいすゞに対する愛情や編集に携わった方々の熱意を垣間見る事ができるだろう。

  • 山里真元
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