無資格検査の問題と販売台数見通しの下方修正で、快進撃を続けてきたスバルに逆風

業界 レスポンス

SUBARU(スバル)は11月6日、2017年度第2四半期(4〜9月期)連結決算についての記者会見を開いた。いつも笑顔を見せながら会見に望んでいた吉永泰之社長も、今回ばかりは全くの笑顔を見せず、終始厳しい表情だった。

冒頭、先日発覚した無資格者による完成車検査問題に対して陳謝し、現状について報告した。「10月30日、31日に国土交通省による当社の製作所への立ち入り検査がありまして、現状は改善された完成検査が実施されていることを確認いただきました。また、4項目の業務改善指示を頂戴し、取り組みを開始したところです」

その中で、4項目目の過去からの運用状況、事実関係の詳細、再発防止策等について、同社から全く独立した専門家、弁護士事務所が調査し、それを基に原因究明と適切な再発防止策を検討して、1カ月をメドに国土交通省に報告するそうだ。

吉永社長は会見の中で、無資格者による検査問題の対策費用を当初の2倍の100億円にすると公表し、その理由についてこう述べた。「50億円が上限だというように現場がならないように、お客さまの信頼を回復することを最優先に考え、倍の100億円にした。ですからやり方を変えたとか、台数が変わったということではない」

また、その国内販売への影響について、吉永社長は「見通せない。非常に重く受け止めている」と述べ、業績見通しに織り込むことをしなかった。2017年度の国内販売計画は16万7000台で、前年度よりも8000台伸びるものの、当初計画よりも5000台下方修正した。

同時にグローバルの販売計画も従来の110万5500台から106万7900台に引き下げた。米国で約2万台、中国で約1万2000台下方修正した。「米国については、インセンティブを積み増して無理矢理販売を伸ばそうとすれば、当初目標の67万台はいくと思うが、それをやると今までのスバルのビジネスモデルが壊れてしまう。経営の健全性を優先した」と吉永社長は話し、あえて目標を引き下げた。

一方、中国については、現地生産をしていないこともあり、「これまで完成車の輸出で拡販に取り組んできたが、想像以上の値引き競争で、1台当たり80〜100万円の値引きは当たり前。そこにあえて突っ込んでも意味はないということで、数を追うことをしなかった」(吉永社長)。そんなに値引きをするのなら、他の地域で販売したほうが得策と考えたわけだ。

2011年6月に社長に就任以来、スバルは常に右肩上がりで販売を伸ばし、目標を軽々とクリアしてきたスバル。こんなことはスバルの歴史を振り返ってもなかったことだ。いずれにしても今回、吉永社長になって初めて逆風が吹き始めたと言っていい。それだけに、“強運の持ち主”である吉永社長がこの2つの問題をどう乗り切っていくか要注目だ。

  • 山田清志
  • 決算の説明をする吉永泰之社長《撮影 山田清志》
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