シェフラー、EV向けに新たなステアリングギアを開発…「カチャカチャ音」を低減
シェフラー(schaeffler)は3月6日、EV向けに新たなステアリングギアを新開発した、と発表した。
従来のステアリングギアは、とくにEVにおいて不快な騒音を発生させることがある。エンジン音で、他の騒音や振動をかき消すことがないために、ステアリングギアが発する音が、耳に届きやすいのだ。
また現代のドライバーは、車内が静かであることに慣れており、ステアリングアシストが必要な操縦時や駐車時に発生する騒音に対して、わずらわしく思うことがある。シェフラーのEV向けの新たなステアリングギアは、これらの課題に対処する目的で開発された。
シェフラーのEV向けの新たなステアリングギアには、新開発の自動調心軸受が採用された。シェフラーは自動調心軸受を最適化し、特別に湾曲したボールソケット(球面キャップ)を導入。この設計によって、自動調心軸受自体が傾くことで、摩擦トルクや騒音を増大させることなく、ウォームシャフトの回転を補えるようになった。
さらに、ウォームシャフトとウォームギアの間に隙間が生じないように、ウォームシャフトにラジアル方向にプリロードをかけることができるようにした。これにより、ステアリング方向が変わるたびに、ウォームシャフトの回転方向が変わって、相対する歯面が接触することで生じる、いわゆる「カチャカチャ音」を低減することができるという。
- 森脇稔