NEXCO中日本など、人力で脱着可能な中央分離帯開口部用ガードレールを開発
NEXCO中日本は3月27日、神鋼建材工業と共同で、交通事故などの緊急時に速やかに中央分離帯を開けて滞留車両を流出できる中央分離帯開口部用ガードレール「レーンオープナー」を開発したと発表した。
交通事故の事故処理などで長時間の通行止めが発生した場合、事故現場後方の車両を流出させるが、状況に応じて反対車線を活用して行う場合がある。その場合、中央分離帯に一定間隔で設置されている開口部のガードレールを一時的に取り外すが、クレーンや工具が必要なため、準備や現場作業に長時間を要していた。
新製品は、延長約3メートル、支柱間隔2メートルごとのブロックとなったガードレール。各支柱にキャスターがついていることで、クレーンや工具を使用せずに人力で移動できる。また、ガードレールのブロック同士はピンで接続。通常時にガードレール本体が固定されているときには、連続性が保たれている。ガードレール本体を固定する時は、筒状になっている支柱に差込管を通して、地中に埋め込んであるサヤ管に差し込む。また、ガードレール本体を移動する時は、差込管をサヤ管から抜くことで、キャスターによって動かすことができる。
取り外しは、ガードレールのブロック同士を連結しているピンを抜き、次に支柱の差し込み管を引き抜いて差し込み管を回転することで引き抜いた状態を保持。人力でのガードレール移動を実現する。従来のガードレールでは、クレーンなどの手配を含め開口部1か所(約50メートル)分のガードレールの取り外しに4時間程度必要だったところ、新製品ではクレーンや工具が不要なため、15分程度で取り外しが可能。また、長期間の使用によりサヤ管の中に土砂が詰まってしまうのを防ぐために、サヤ管キャップを取り付けるなど工夫も施している。
- 纐纈敏也@DAYS