【静岡ホビーショー2019】小・中・高校生招待日を初めて設定 一般公開は11-12日
模型とホビーの祭典、静岡ホビーショーが8日から静岡市のツインメッセ静岡で始まった。
国産のプラモデルが誕生しておよそ60年。静岡ホビーショーも今回で58回目の開催を数える。今や日本のプラモデルは世界的にもリードするクオリティを誇り、ファンの注目は国内にとどまらない。
そんな、静岡市はもとより静岡県としても、もはや主要産業の一つである模型の魅力を、もっと多くの子供たちに知ってもらおうと、今回からプレス向けや一般公開に先駆けて「小中高校生招待日」が初日の8日設定された。
当日は朝から、ツインメッセ静岡の駐車場には、子供たちを乗せたバスが続々と到着。最新の模型の展示を見学し、メーカーの担当者に熱心に質問したりする光景が会場のいたるところで見受けられた。
また、ただ見学するばかりでなく、実際に模型工作の体験スペースも設けられ、日頃あまり触る機会のないプラモデルで、自分ので作る喜びを体験する機会にもなっていた。
この日には、主催の静岡模型教材協同組合の記者会見も行われた。代表を勤める田宮俊作会長は「最近では説明図を見て模型を組み立てることができない子供も少なくなくなっています。それはまず体験したことがないというのが最大の原因でしょう。こうして、実際に来てもらって、見学して、模型作りを体験してくれているお子さんの表情を見ていると、何より楽しそう。小さい子供のサポートでも学生がボランティアに入ってくれている。組み立て体験をしている子供も、ボランティアの学生さんも、参加したすべての人が模型を介して楽しそうにしているのが何よりもうれしいこと。今回にとどめず、次回以降も引き続き実施していきたい」と話す。
ボランティアとして参加していた、静岡聖光学院の学生の一人は「年齢が違う子供に伝えるというのは、友達や目上の大人に話すような言葉では伝わらないことも多ので、もっと平易な言葉を使ったり、声のトーンを工夫したりしなければなりません。これ自体、ふだんなかなかできないことなので、貴重な体験になりました」と話していた。
単に地元の産業に目を向けてもらうだけでなく、じっさいに身近なものとして親しんでもらう、その中で手を動かし、創意工夫し、教室や机の上では学べない学びの場にもなっている、今回から始まった試み。ホビーを教育や学習と切り離すのではなく、地域の共通言語、文化として醸成しようという取り組み。今後も目が離せない。
第58回静岡ホビーショーは、5月11日・12日が一般公開日となっている。場所は静岡市のツインメッセ静岡、入場は無料だ。
- 中込健太郎