大株主ルノー棄権回避へ、日産の人事譲歩案「歓迎」[新聞ウォッチ]
気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………
棄権→譲歩案→撤回→歓迎。シャンシャンで終わるというほど甘くもないだろうが、来週6月25日に開催する日産自動車の定時株主総会は、当初予想されていた大きな混乱をひとまず避けられる見通しとなったようだ。
筆頭株主の仏ルノーが、連合を組む日産が提案するガバナンス(企業統治)改革に向けた特別決議案について、投票を棄権する意向を撤回し、賛成することで合意したからで、ルノー側も「歓迎する」との声明を発表した。
きょうの各紙も「ルノー、日産人事案了承、修正受け棄権回避へ合意」(朝日)や「日産譲歩改革を優先、ルノーと関係修復課題」(読売)などと報じている。
ルノーはこれまで議決棄権の意向を示し、ジャンドミニク・スナール会長とティエリー・ボロレ最高経営責任者(CEO)の2人を新たに設置される「指名」「報酬」「監査」の3委員会のうちどれかのメンバーとするよう求めていた。
このため、日産はルノーが推薦した人材を入れる方向で譲歩案を提出。調整の結果、ルノーの代表2人をそれぞれ委員会のメンバーにすることで合意したという。
日産としても、指名委員会等設置会社への移行後に設置する指名委員会のメンバーにスナール氏を、監査委員会にボロレ氏をそれぞれ充てる人事を発表。また、注目されていた取締役会議長に木村康・JXTGホールディングス相談役を、副議長にスナール氏を充てる人事も公表した。
4日後に開催する日産の株主総会は、大株主のルノーが投票の棄権を撤回したことで一件落着となったようだが、総会後は人事をめぐってギクシャクした両社の関係修復や低迷する業績、さらに下落する株価をどう回復させるかが焦点となる。
2019年6月21日付
●陛下パレード午後3時半、10月22日即位礼(読売・1面)
●日産改革ルノー賛成、25日株主総会(読売・1面)
●ゴーンショック、移民の孫受け継いだ名(朝日・1面)
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●自動運転サービス、日産・ルノーとグーグル系連携(朝日・6面)
●トップリーグのトヨタ選手逮捕、コカイン所持容疑(毎日・22面)
●無人配送ロボ公道実験、政府、ヤマトや楽天と法改正も視野、今年度にも(日経・1面)
●三菱航空機難路の米開拓、かさむ投資、黒字化遠く(日経・16面)
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- 福田俊之