「ホンダeMaaS」の概念導入…ホンダミーティング2019
ホンダは7月4日までに和光ビル(埼玉県和光市)で開いた「ホンダミーティング2019」で、電動モビリティによる移動サービスと独自開発のエネルギーサービスを、コネクティッド技術などで融合させる「ホンダeMaaS」という概念を公表した。
日々の生活と自由な移動がシームレスにつながるサービスと、再生可能エネルギー拡大への貢献をめざしていく。MaaSは「モビリティ・アズ・ア・サービス」を示し、これからの自動車産業が深くかかわる事業分野となる。
一方でホンダは、着脱式可搬バッテリーの「モバイルパワーパック」や可搬型外部給電器「パワーエクスポーター9000」、さらに移動可能な水素生産装置である「スマート水素ステーション」などエネルギー分野での事業も展開している。エネルギー事業については「EaaS」(エネルギー・アズ・ア・サービス)との視点で推進する構えであり、MaaSとの融合で「ホンダeMaaS」というコンセプトを打ち出した。
モビリティについては電気自動車(EV)や水素によるFCV(燃料電池車)、さらに電動二輪車、ロボット技術によるパーソナルモビリティなど、環境負荷がゼロか極めて少ない電動車を主体にサービスを展開する。
各種の電動車は、いわゆる電力会社の系統との接続により、電力を供給する役目も担わせていく。その一環として、英国では電力をまとめる専門事業者(リソースアグリゲーター)と提携し、EVと庁舎間でのエネルギー有効利用の実証実験を2019年秋から始める計画という。
本田技術研究所のデジタルソリューションセンターを担当する伊藤裕直常務取締役は、eMaaSについて「移動効率の最大化や、ドライバー不足など社会課題への対応、さらに低炭素・低価格で電力系統の安定化にも寄与できる。ホンダらしいユニークなこのコンセプトを、カーボンフリーで実行していきたい」と話している。
- 池原照雄