2020年度も自賠責資金の繰り戻しを…自動車会議所など「考える会」が報道説明会

社会 レスポンス

交通事故被害者や自動車業界団体などによる「自動車損害賠償保障制度を考える会」は10月4日、事故被害者の救済事業を安定的に拡充するための取り組みについて、都内で報道関係者向けの説明会を開いた。

自賠責保険料による積立資金の一部が国の一般会計に繰り入れられたままとなっているため、救済事業など本来の活用に向け、関係省庁などに繰り戻すよう求めていく。同考える会は、事故被害者団体や日本自動車会議所、自動車総連など幅広い関係機関で構成され、2010年の設立時から自賠責資金の繰り戻しや理解活動に取り組んできた。

この結果、18年度には一般会計からの繰り戻しが15年ぶりに実現、19年度も継続された。繰り戻し額は18年度が23億円、19年度が37億円だが、なお約6000億円が一般会計にプールされた状態となっており、20年度以降も着実な繰り戻しを求めていく。

説明会の冒頭、日本自動車会議所の山岡正博専務理事は「交通事故死亡者は減少傾向が続き、18年は3532人となった。しかし、重度後遺障害になる方は横ばい状況となっており、被害者救済のための事業が安定的かつ継続的に実施されるよう取り組むことが私ども『考える会』の使命だ。このため、今年も更なる繰り戻しを実現したい」と強調した。

自賠責の資金による被害者救済事業は、自動車事故対策機構(NASVA)が行っており、事故による最重度の後遺障害者である遷延性意識障害者を治療・看護する療護施設を全国10か所で運営している。NASVAの濱隆司理事長は「当機構の運営する療護施設は脳損傷による重度後遺障害者に特化した病院であり、世界でも例がない。だが、施設の拡充などにはコストもかかる」とし、一般会計からの繰り戻しによる資金確保の重要性を指摘した。

政府からは国土交通省自動車局の江原一太朗保証制度参事官が出席、自賠責保険の運用益に基づく被害者救済事業への取り組みや、一般会計に繰り入れられた経緯などを説明したうえで「救済事業ではまだまだやるべきことが多い。これまで以上に強力に国土交通省をあげて、(財務省から)返してもらうよう取り組みたい」と表明した。

また、被害者団体である全国遷延性意識障害者・家族の会からは桑山雄次代表と横山恒副代表が出席し、桑山氏は一般会計からの繰り戻しについて「自動車ユーザーが負担する保険の運用益の返還であり、税金に財源を求めるわけではない。被害者のために戻してほしい」と訴えた。

  • 池原照雄
  • 国交省 江原参事官《撮影 池原照雄》
  • 全国遷延性意識障害者・家族の会 桑山会長《撮影 池原照雄》
  • 日本自動車会議所 山岡専務理事《撮影 池原照雄》
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