カーボンの既成概念を覆す!? 世界初公開、ショーワの軽自動車向けプロペラシャフトが革新的な理由

業界 レスポンス

9月30日、ショーワ技術体感試乗会「Showa Technology Experience」が、栃木県の塩谷プルービンググラウンドで開催され、軽自動車にも装着可能なカーボン製プロペラシャフト「1ピース型CFRPプロペラシャフト」が世界初公開された。

2輪好きの方にはショーワはおなじみのブランドで、ホンダ系のサスペンションサプライヤーというのが一般的な印象だが、日立オートモティブシステムズ、ケーヒン及び日信工業と経営統合する予定で、日立製作所の傘下になるというわけだ。

このような節目でShowa Technology Experienceが開催され、ここで注目されたのが1ピース型CFRPプロペラシャフト。すでにスーパーカーやスーパースポーツの一部ではプロペラシャフトにカーボン製品を使うことはあるが、まだまだ採用例は少ない。ネックとなるのは、やはりコストと量産性だ。

ショーワの1ピース型CFRPプロペラシャフトは、横置きエンジン形式の4WD用2ピースプロペラシャフトを1ピース化しているのが特徴。この形式からもわかるようにスーパースポーツ用を狙っているわけではなく、じつは軽自動車用まで視野に入れて開発を進めているという。

従来のスチール製だと、おもに共振対策などのためにセンターベアリングサポートが必要になるが、1ピース化することでこれが不要になることでも軽量化が可能になるという。公開されたカーボンシャフトはスチール製の重量の約半分にまで軽量化(展示試作品は約4kg)されている。大幅な軽量化が実現可能なため、より省燃費性能を高められCO2排出量の低減につながるわけだ。

世界初公開されたカーボン製のシャフトをよく見ると、一般的なカーボンのクロスした「織り目」がない。カーボン繊維は斜めに巻きつけられたような状態だ。だが、これが強度を高めているポイントだという。外観からは一方向に巻き付けられているように見えるが、その内側は逆方向に巻き付けられていてラジアル構造のようになっている。実はクロス織のカーボンを使うより、強度に優れているのが大きな特徴だ。

軽自動車に採用されることを目指しているため必要不可欠なのが量産化によるコスト低減だが、これも生産性に目途がついているという。従来の製造方法では1つの製造に数時間を要していたが、新製法新製法はこれを数分程度まで短縮したという。金型内で圧縮する方法がユニークで、なんとシャフトの内側から圧縮をかける。当然シャフトは中空になり、ここでも軽量化が図られ樹脂硬化時間が短縮できるという。

また、特徴的なのがシャフト連結部分の金属部品の新たな接続方法と形状だ。シャフトの端の金属につながる部分を絞り形状の成形することによって、事故などの衝突でシャフトが押されたときには絞り形状の部分が破壊されることによって衝突エネルギーを吸収する衝突構造を実現。これもコスト低減につながっている。

現在ショーワは、2025年ごろに発売する予定の市販車用に採用をはたらきかけているという。カーボンのプロペラシャフトを採用車軽自動車や手ごろな価格のスポーツカーに採用されるかもしれない。

  • 丸山 誠
  • ショーワが開発した世界初公開の「1ピース型CFRPプロペラシャフト」《写真撮影 山内潤也》
  • ショーワが開発した世界初公開の「1ピース型CFRPプロペラシャフト」《写真撮影 山内潤也》
  • ショーワが開発した世界初公開の「1ピース型CFRPプロペラシャフト」《写真撮影 山内潤也》
  • ショーワが開発した世界初公開の「1ピース型CFRPプロペラシャフト」《写真撮影 山内潤也》
  • ショーワが開発した世界初公開の「1ピース型CFRPプロペラシャフト」《写真撮影 山内潤也》
  • Showa Technology Experience《写真撮影 山内潤也》
  • ショーワの塩谷プルービンググラウンド《写真撮影 山内潤也》
  • ショーワの塩谷プルービンググラウンド《写真撮影 山内潤也》
  • Showa Technology Experience《写真撮影 山内潤也》
  • Showa Technology Experience《写真撮影 山内潤也》
  • Showa Technology Experience《写真撮影 山内潤也》
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