成長は一時停滞、リチウムイオン電池 主要4部材の市場…コロナ禍で 矢野経済

業界 レスポンス

矢野経済研究所は、リチウムイオン電池(LiB)主要4部材の世界市場を調査し、民生小型機器用や車載用などのLiBセルの用途や主要4部材の出荷動向、国別の設備投資や部材価格の動向などを明らかにした。

調査結果によると、2019年のLiB主要4部材世界市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比6.7%増の209億7987万3000ドル(約2兆2000億円)。2020年は同4.5%減の200億3811万7000ドル(約2兆1000億円)の見込みだ。車載用LiB世界市場では、これまで補助金政策主導で成長を続けた中国市場にて、2019年からその成長率に鈍化傾向が見られる。背景には補助金枠の減少が影響していると見られる。

LiB主要4部材は、車載用LiBセル向けを中心に正極材、負極材、電解液、セパレーターの4部材全てで市場平均価格に下落トレンドが見られ、金額ベースの成長率は数量ベースの成長率を下回る形で推移。2020年下期に入り、部材によっては下落トレンドに歯止めがかかり始めているが、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、2020年通年で前年比減少推移を見込む。

しかし、中国政府は2022年までの補助金延長を決定しており、欧州では乗用車のCO2排出量について2021年の目標値を平均95g/kmとする規制の実施を予定。これらを受けて、今後、OEMの電動化計画を受けたxEV生産の拡大が見込まれる。LiB主要4部材世界市場は引き続き車載用セル向け需要を主な牽引役として、市場拡大を続けると予測する。

2019年のLiB主要4部材世界市場における国別出荷数量シェアでは、中国が引き続き4部材全てで高いプレゼンスを維持。今後は、欧州地域におけるLiBセル生産でのポジション状況が、中国LiB部材メーカーのプレゼンスの維持を左右すると見られる。

日本はセパレーターが30%台と比較的高い比率を維持しているが、2018年との比較では正極材、負極材、電解液にて前年よりシェアを下げている。部材によっては価格競争激化等を背景に、中国LiBセルメーカー向け供給から手を引こうとする動きも見られる。

韓国では、引き続き韓国LiBセルメーカー向けがメインとなっており、POSCO CHEMICAL(正極材、負極材)、Enchem(電解液)といった新規参入プレーヤーが出荷量を伸ばしている。今後、韓国セルメーカーの車載用セル向け出荷量の伸びを牽引役に、徐々にプレゼンス向上の可能性があると見られる。

その他では、正極材でベルギーのUmicoreが一定のプレゼンスを有するに留まっているが、欧州ではBASF、ジョンソン・マッセイも正極材を手掛けている。一方、負極材、電解液、セパレーターでは欧州地場のLiB部材メーカーの目立った動きは今のところ見られない。

今後の展望については、2020年のLiB主要4部材世界市場は前年比4.5%減での推移を見込むが、2021年以降は成長軌道に戻り、LiB主要4部材の需要拡大が継続。2025年には23019年比74.9%増の366億8578万7000ドル(約3兆8000億円)に達する見通しだ。ただし、新型コロナウイルスの影響等による自動車市場縮小にて、ガソリン車よりも利益率が低いと見られるxEVだけ成長が続くというシナリオは現実的ではないと考える。

地域別では、コロナ禍でも欧州ではxEV市場が成長を維持していると見られるが、補助金等の政策に影響されると考える。欧州地場の新規LiBセルメーカーに関しては、Northvoltを筆頭にこの先数年でGWh規模の設備投資も計画されている。中国では2022年まで延長された補助金の終了後、環境規制の強化、並びに電動車両・車載用LiBの更なる進化を背景に、xEV市場の自立成長が期待されており、欧州xEV市場の立ち上がりと両輪でバランスを取りながら成長が続くことがベストシナリオではある。しかし、LiB部材メーカーによっては、今後の中長期の設備投資に関しては慎重な判断が有意の策になると考える。

  • 纐纈敏也@DAYS
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