スカイラインにシルビア、70年代日産のハードトップ攻勢【懐かしのカーカタログ】
日産車のハードトップ攻勢は1970年代に始まった。当時は単にかっこいいクルマに映っていたが、今思えば、ひときわ優雅な存在感が際立つモデルばかりだった。
◆ローレル(1970年)
セダンは510型『ブルーバード』の上級車種といったスタイルだったが、その初代『ローレル』に日産車初のハードトップとして設定されたのがこのモデル。搭載エンジンは2リットルと1.8リットルの4気筒。
◆スカイライン(1970年)
C10型“箱スカ”にハードトップが誕生したのは’70年10月。同年6月の『ローレル』に次いで登場。ハードトップはセダンより70mmホイールベースが短く、かつ6気筒を積む2000GT系は4気筒の1800系より全長とホイールベースが長かった。
◆ブルーバードU(1971年)
今考えれば名車510型がどうしてこの形にモデルチェンジされたのかは、いささか不可解ですらある。Jラインと呼ぶサイドウインドゥのアクセントは、確かオレンジなどの色が選べたはずだ。写真は6気筒の2リットルを積む2000GTシリーズ。
◆セドリック/グロリア(1972年)
プリンス時代からの『グロリア』と日産『セドリック』が初めて兄弟車となったのがこの世代。ハードトップはモデル当初から2ドアが設定されたが、’72年にピラーレスの4ドアハードトップが国産車で初めて設定された。
◆バイオレット(1973年)
“710型”の型式から『ブルーバード』の系統であることがわかるが、510型の後継だった610型から、ボディサイズをコンパクトに是正したのがこの『バイオレット』。当時流行のファストバックだったが、セダンは後期型でノッチバックに改良された逸話をもつ。
◆シルビア(1975年)
少量生産車だった初代の車名を受け継いで登場。『サニー』(B210型)のシャシーを用いていたため、トレッドの狭さは否めなかった。かなり独創的なスタイルは、当初、ロータリーエンジンの搭載計画があったため。
- 島崎七生人