ボルボがめざす新しいカーライフを体験…XC60のインフォテイメントOSにGoogle採用

新車 レスポンス

日本でも人気の高いボルボのプレミアムSUV『XC60』が9月1日、マイナーチェンジされた。その目玉が「Googleによる新インフォテイメントシステム」の採用だ。今までのシステムとはどう違うのか。そのインプレッションをお届けする。

◆Googleを介してクルマと日常をより近しい関係に

今回のマイナーチェンジでは、パワートレインをはじめ、プラットフォームは従来を継承した。一応、外観でリアのマフラーが外から見えないようになったことや、フロントのバンパー下部にクローム処理の形状を変更してはいるが、これはオーナーでもないと旧型とほとんど区別がつかない。ADAS機能でもすでにボルボは最高水準の安全性能を発揮していただけに、目立ったところと言えば前車発進警告が追加されたことや、セーフティブレーキの対応範囲が自転車などの横切りに対応した程度にとどまった。

その一方で一新されたのがインフォテイメントシステムで、これこそがマイナーチェンジの目玉とも言える。最大の特徴はシステムのOSにGoogleとボルボが共同で開発した「Android Automotive OS」を採用したことにある。これはボルボが2017年5月、次世代コネクテッドカー技術開発においてGoogleと提携したことにより生まれたものだ。従来からあるスマホと連携させた「Android Auto」対応というものではなく、車載システムそのものをAndroid化した、いわば車載システムとしては先駆けとも言えるものなのだ。

Googleのサービスはすでに広く生活に浸透しており、クルマに乗っているときも離れたときもアプリ一つで様々な利便性を実現することでクルマとより近しい関係を築き上げようというわけだ。具体的にはGoogleマップやGoogle Playが利用可能となり、これらは走行中であっても音声で操作できるのがポイントとなる。これはまさに、何よりも安全性を重視するボルボにとって避けて通れない手法だったとも言えるだろう。

通信環境は内蔵したeSIMによって新車から4年間にわたって無料で提供される。これによりGoogleアカウントを共有することで、インフォテイメントシステムにパーソナルな情報が常に反映できるようになる。その中心にあるのがGoogleアシスタントで、これを使うことでドライバーは音声操作によって、走行中でもリマインダーやアラームの設定、スケジュール管理、調べ物、ナビゲーションが使え、車両側の様々な機能もコントロールできる。

見逃せないのが外出先からのスマートホーム・デバイスなどの操作が実現することだ。自宅でGoogle Homeを使っている人ならステアリング右にある音声操作ボタンを押して、「OKグーグル」→「エアコンをつけて/消して」といった操作も実現。自宅にある家電品が車内から自在にコントロールできるようになるのだ。また、Googleマップで目的地を設定する場合も音声で行きたい場所を発話するだけでいい。

◆音声アシスタントの日本語対応は22年初頭を予定

残念ながら、2021年11月初頭時点では日本語に対応できていないが、ボルボ・カー・ジャパンによれば2022年初頭にはアップデートで対応可能になる予定だという。スマホで体験済みの人も多いと思うが、Googleによる音声認識精度は極めて高い。それだけに、その使い勝手の良さはこれまでのクルマで使う音声認識のレベルをはるかに超えることは容易に推察できる。日本語対応となる日までもう少しの辛抱だ。

そんな状況下ではあったが、やはり音声認識の実力を試してみたくなり、この日は拙い英語で発話してGoogleマップでの目的地設定にトライしてみた。しかし案の定、このハードルは高かった。近くのコンビニを探してもらおうと「Looking for a nearby convenience store」などと発話してみたが、ことごとくNG。やはりネイティブの英語でないとダメなのか……、と思いつつ、次に施設名だけを発話してみると、これはうまくいった。新浦安駅を「Shin-Urayasu Station」とだけ発話したら、一発で地図上に表示。グローバルな有名ホテルでも大丈夫だった。

では、日本語に対応できていない現時点で、もっと簡単に日本語で目的地を設定することはできないか。そこで考えたのがGoogleアカウントで、XC60のインフォテイメントシステムとの連携を活かす方法だ。これは一度でも目的地として一度でも検索するか、その場所を登録しておくことで反映されるので、あらかじめスマホのGoogleマップ上で設定しておけばいい。ちょっと裏技的ではあるが、これでもメニューを開いて目的地を探すよりもはるかに簡単に目的地設定ができるようになる。一度試してみて欲しい。

ただ、懸念材料としてあるのはGoogleマップの案内ルートへの不安だ。あくまで経験値としてのことだが、Googleマップは案内ルートが距離優先となることが少なくない。そのために時としてすれ違いが困難なルートを案内することも度々経験している。さらに目的地の入口情報にも対応していないことで、入口とは反対側の場所を案内されることもある。ボルボ・カー・ジャパンでも認識しているようで、あくまで仮定の話として「Yahoo!カーナビが使えるよう、Apple CarPlayへの対応も考える必要はあると思っている」(畑山真一郎プロダクトマネージャー)とも話していた。この辺りはもう少し検証してみる必要はあるだろう。

◆ボルボならではの安心感を伝える完成度の高さ

では今回試乗したボルボ「XC60 B5 AWD インスクリプション」の走りはどうか。パワートレーンは2.0リットル直列4気筒ガソリンターボ・エンジンに、電気モーターを組み合わせたマイルド・ハイブリッド・システムで、これに8速ATを組み合わせるものだ。最高出力250ps、最大トルク350Nmの十分なパワーを発揮し、2トン近い車体を軽々と走らせる。その第一印象は、走りがとにかく活発でそれでいて極めて静かというものだった。

走行中に実感するのがその速さの中にも、ボルボならではの安心感が伝わってくることだ。それは完成度を増したエアサスが車体をしっかりと支え続けることで、ステアリングを少し乱暴に操舵しても常にフラット感を発揮。これで常に安定した姿勢を保ってくれるのだから恐れ入る。しかも乗り心地は快適そのもの。この分野ではもはやライバルはないと思わせるほど完成度が高い。

北欧の雰囲気をしっかり伝えてくれる車内の仕上げも、本物のウッドやアルミの素材感をあつらえ、触れるたびに高い満足度を感じさせてくれる。さらに飽きの来ない外観もXC60ならではの魅力だ。インフォテイメントシステムのAndroid化とも相まって、ボルボの安全思想をさらに際立てるクルマに仕上がったことは確かのようだ。

  • 会田肇
  • Googleアカウントを共有化することで、直近で訪れた松本の目的地が反映されていた《写真提供 ボルボ・カー・ジャパン》
  • メニューからも入力できるが、予測変換はするものの結果が出るまで手間がかかる《写真提供 ボルボ・カー・ジャパン》
  • 交通情報はVICSではなくGoogleが独自に収集したデータを使用する《写真提供 ボルボ・カー・ジャパン》
  • Googleマップの案内は距離優先となることが多く、この日も何度も交差点を曲がるジグザグのルートを案内していた《写真提供 ボルボ・カー・ジャパン》
  • Googleマップで案内したルートは、メーター内の地図上でも表示された。Android Autoへの対応だけではこうはいかない《写真提供 ボルボ・カー・ジャパン》
  • ヘッドアップディスプレイにはGoogleマップの情報が反映されていた《写真提供 ボルボ・カー・ジャパン》
  • Googleアシスタント(最下段)を表示するメインメニュー。最下段では《写真提供 ボルボ・カー・ジャパン》
  • ボルボXC60 B5 AWD インスクリプション《写真提供 ボルボ・カー・ジャパン》
  • ボルボXC60 B5 AWD インスクリプション《写真提供 ボルボ・カー・ジャパン》
  • Bowers & Wilkinsプレミアムサウンド・オーディオシステムは踏襲された《写真提供 ボルボ・カー・ジャパン》
  • ボルボXC60 B5 AWD インスクリプション《写真提供 ボルボ・カー・ジャパン》
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