【ホンダ 将来安全技術】歩行者やバイクなど多彩なエアバッグ…脳障害の研究成果生かす

テクノロジー レスポンス

ホンダは11月24日に栃木県さくら市の同社施設で安全に関する取材会を開き、開発中の新技術を公開した。そのなかで、かつて日本メーカーの先頭を担ったエアバッグについても多彩な取り組みが提示された。

ホンダは、2050年に同社の二輪車と四輪車が関与する交通事故の死者を世界でゼロにする目標を掲げており、実現に向け、エアバッグの貢献は依然として大きいと判断している。同社は1987年に日本メーカーでは初となるエアバッグを『レジェンド』の運転席に搭載したが、その研究に着手したのは1971年であり、今年で半世紀の歴史を刻んでいる。

今回の取材会では、今年から北米で製品化された「斜め衝突対応エアバッグ」をはじめ、歩行者や自転車乗員などを対象にする「交通弱者保護エアバッグ」、バイクに搭載する「二輪車用エアバッグ」が展示された。また、さまざまな衝突時に幼児や高齢者など多様な乗員を守る「全方位エアバッグ」についても技術概要が示された。

「斜め衝突対応エアバッグ」は運転席と助手席用のもので、北米の『シビック』シリーズ2021年モデルですでに採用されている。これまでの運転席・助手席用は正面衝突時に高い性能を発揮するものの、衝突車両が左右の斜め前方となった場合は、頭部が激しく斜め方向に回転し、重篤な被害につながりやすいという。

製品化したエアバッグは運転席用ではくぼみのあるドーナッツ形状、助手席用はメインのバッグのほか、左右にサブのバッグを備えている。こうした形状や構成により、頭部が斜め方向に回転するのを抑制できるようにした。実験では従来型のエアバッグに比べ、頭部の回転を運転席用で33%、助手席用で45%低減できたという。

頭部障害による交通死亡事故では自動車の乗員、歩行者ともに約8割が脳障害に起因しているとされ、ホンダは脳障害の研究を重ね、事故時の脳へのダメージをシミュレーションする独自の解析モデルを開発している。衝突で頭部が激しく振られたり、回転したりすると危険性が高まるので、新たなエアバッグの多くは、その抑止に重点を置いているという。

自動車のフロント部からフード(ボンネット)に展開する「交通弱者保護エアバッグ」も、歩行者などの衝突時の頭部の回転を軽減するといった機能をもたせる。2008年に製品化している衝突時にフードがもち上がる「ポップアップフード」とセットで実用化していく。衝突可能性の検知は「ホンダセンシング」のカメラで行う。

一方、ホンダの「二輪車用エアバッグ」は、2006年にバイクの旗艦モデルである『ゴールドウイング』に世界で初採用し、現在も唯一このモデルにオプション設定している。今回は125ccのスクーターに試作品を搭載した。二輪車の事故ではほぼ3分の1と最も多い「出会い頭」で自動車と衝突した際に乗員の頭部保護を図るようにしている。これらの新規エアバッグの製品化時期は示していないが、開発担当者は「できるだけ早期に」と話している。

  • 池原照雄
  • ホンダ 「交通弱者保護エアバッグ」《写真撮影 池原照雄》
  • ホンダ 「二輪車用エアバッグ」《写真撮影 池原照雄》
  • ホンダ・レジェンド(1987年)《写真提供 ホンダ》
  • ホンダ・レジェンド(1987年)《写真提供 ホンダ》
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