KINTO vs SNS:対極サブスク事業者の究極の目的…IAAE 2022セミナー

業界 レスポンス

第19回国際オートアフターマーケットEXPO2022(IAAE 2022)では各種セミナーが開催されている。3月11日には「『自動車流通変革の最前線』〜多様化する自動車販売の新しい潮流〜」と題して、昨今注目されている自動車の個人向けリースやサブスク販売について論じられた。

登壇したのはKINTO総合企画部の布川康之部長、西自動車商会の津嘉山修代表。加えてモデレータのイード『レスポンス』三浦和也編集人を交えてセミナーは進められた。

西自動車商会は軽規格が拡張された1998年より、頭金0円、車検、税金、メンテナンスが“月々コミコミ払い”で新車に乗れるカーリース「スーパー乗るだけセット(SNS)」を提供している。

津嘉山代表はリース会社のサラリーマンだったが、義父の急病により引き継いだ整備工場は借金が多く、顧客も少ない。顧客を増やすために中古車販売をするには仕入れのお金がないため、新車のリースをメンテナンスを込みにして5年間毎月2万円以下で商品化した。もともとは新車に乗れなく中古車を買っていた人々、しかも財布を握る女性客にこの軽自動車の販売方法がヒットした。商材としての改良をすすめると同時に、ボランタリーチェーン本部として全国の整備工場にノウハウを伝授、今日では235店舗が加入しているという。

KINTOは、トヨタのサブスクとしてトヨタファイナンスと住友三井オートサービスの合弁で2019年に生まれた。トヨタの新車に初期費用0円・月々定額で乗れるサービスとして、自動車保険も込みであるのが特徴だ。契約もウェブで完結する。

KINTOの布川部長はトヨタファイナンス出身。「KINTOがめざすのはモビリティサービスのプラットフォームだ」という。クルマを生産し販売会社に卸すビジネスモデルから、自らつくったクルマを自らサービス化して運用するMaaSレイヤーが今後成長が見込まれる。そのサービスレイヤーを取り込んでゆくというミッションがKINTOに与えられている。

定額で新車に乗れるKINTO ONEは、現在33車種を取り扱い、専用車もある。複数人でシェアし、走行時間等に応じて支払いを割り勘できるプランもある。布川部長は「2022年1月の申し込み数は3万件を超えた。もともと車を保有していないユーザーが4割、乗り換えユーザーが2割で、新規ユーザーを獲得できている」と現状を分析する。

布川部長は、ドライブの行き先やクルマライフを充実させるサービスを紹介するサイト「モビリティマーケット」や、トヨタ自動車と連携して、既販車を対象に技術・機能のアップデートを提供する「KINTO FACTORY」といった新しい施策を紹介。さらに旧車コミュニティ「Vintage Club by KINTO」を4月にリリースする予定だと明かした。サイトやインスタアカウントはすでに運用中でファンがすでに集っているそうだ。

今年から開始された「KINTO FACTORY」はクルマの機能を実現するソフトを書き換えることで販売後も機能アップ、付加価値アップをつづける新しい取り組み。テスラなどが行っているソフトウェアアップデイトとの違いは、センサーの交換などハード的なクルマのアップデイトを行うメニューもあること。「将来的にはサブスク販売との組み合わせも検討している」(布川部長)という。

街の整備工場にとってサブスク販売を行う最大のメリットは、将来にわたる入庫整備や車検の確保だと津嘉山代表はいう。

「生涯顧客と生涯入庫が我われ街の整備工場が目指す姿です。半年ごとの整備は顧客と信頼関係を築くチャンスだと捉えて、接客を徹底します。もちろんきちんとした整備によって、スーパー乗るだけセットが終わる5年目、7年目の車両が高い価値を維持してくれることがお客様にとっても我々にとっても良いことです。経営的にも来月は何台、来年は何台と入庫見込みが読めることは、設備投資や人材採用を計画的に行えるメリットがあります」

将来のEVのサブスク販売の話題では、両者ともバッテリー劣化のリスクを顧客だけに押し付ける販売方法ではEV普及の阻害になるゆえ、リスクを売る側が負担するサブスク販売が有効だという意見で一致した。しかし、具体的なプランについては「リース会社と話し合いを進めている」(津嘉山氏) 「検討状況を話せるタイミングではなく、歯切れが悪くて申し訳ない」(布川部長)として、今後の展開を見守る必要がありそうだ。

  • 三浦和也
  • 西自動車商会の津嘉山修代表(IAAE 2022セミナー)《写真撮影 川島優太》
  • 西自動車商会カーリース「スーパー乗るだけセット(SNS)」(IAAE 2022セミナー)《画像提供 西自動車商会》
  • 西自動車商会カーリース「スーパー乗るだけセット(SNS)」(IAAE 2022セミナー)《画像提供 西自動車商会》
  • KINTO総合企画部の布川康之部長(IAAE 2022セミナー)《写真撮影 川島優太》
  • KINTO(IAAE 2022セミナー)《画像提供 KINTO》
  • KINTO(IAAE 2022セミナー)《画像提供 KINTO》
  • IAAE 2022セミナー「『自動車流通変革の最前線』〜多様化する自動車販売の新しい潮流〜」《写真撮影 川島優太》
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