ダイハツ、福祉施設の共同送迎サービス開始…福祉MaaSの取り組み

業界 レスポンス

ダイハツ工業は4月22日、福祉介護についてのオンライン説明会を開催し、複数の施設の共同送迎業務を一括して支援するサービス「ゴイッショ」の販売を開始したと発表した。これによって、人手不足に悩む介護現場の負担軽減を狙う。

同社の福祉MaaSの取り組みは2015年、同社の福祉車両を1台でも多く使ってもらうために介護専門チームをつくり、全国の介護施設を回ることから始まった。累計3万カ所を超える施設を訪問、そこで送迎業務に課題があることが浮き彫りになった。

その課題解決のために、2018年に「らくたび送迎」を開発し、サービスを開始した。これは個別施設の送迎業務の効率化をサポートするもので、送迎計画の作成が簡単にでき、スマートフォンを利用して送迎の変更もできる簡易テレマティクスサービス。現在、全国で約200カ所の介護施設で活用されているという。

「ただ、地域によっては、個別の介護施設がそれぞれ送迎することの限界、人手不足という問題が顕著化している。そこで、らくたび送迎で培った知見をもとにそれぞれの送迎を外部に委託し、地域全体で共同化して運行することで施設の人手不足を解消できないかと考えた。そして企画開発したのが、福祉介護・共同送迎サービス『ゴイッショ』だった」とコーポレート統括本部の谷本敦彦副統括部長は話す。

そして19年、施設の負担軽減だけでなく、地域の活性化につなげ、持続可能なサービスへ育てていきたいという思いのもと、香川県三豊市と三豊市社会福祉協議会とともに連携協定を締結し、20年から実証実験を開始した。その実証実験では、送迎ドライバーを地元の人に担ってもらうとともに、送迎の空き時間を有効に活用して食事の配送など地域に根ざした取り組みを行った。

三豊市には40カ所の介護施設があり、1日に800人が利用して、その送迎のために200人の職員が関わり、300台以上が送迎車両として使われていた。実証実験では5施設を対象に導入し、「送迎車両を2割カットできるうえに、介護現場の負担を軽減できることが分かった」(谷本副統括部長)という。

その実績を踏まえ、今回、全国約1570の自治体向けにサービスを開始することになったわけだ。これまでに4回のオンライン説明会を実施し、約70の自治体が参加したという。とりあえず22年度は5つの自治体でサービスを開始したいそうだ。

まずステップ1として、3カ月ほどかけて介護施設を直接訪問して困りごとの調査を行い、課題の見える化と送迎共同化による効果シミュレーションを行う。ステップ2として、6カ月ほどかけて運行開始に向けたロードマップ・収支計画の策定や、運営フロー、マニュアル化の構築支援、ドライバーの研修(含む介助・接遇の研修)、介護施設との調整、交渉支援などを行う。そして、ステップ3で、共同送迎運行管理システムの提供、サービスの拡大、発展に向けた支援を行う。

運行管理では、運行前に独自開発した介護送迎専用のアルゴリズムを用いて、複数施設の利用者の乗車負担や希望時間を考慮しつつ、効率的な送迎をする最適な送迎計画を作成する。しかも、その送迎ルートをナビ上に表示する。運行中は利用者宅の出発・到着時に、ドライバーがスマートフォンを操作すると連動して、関係者に最新の送迎ステータスを共有。さらに送迎遅延や利用者の急なキャンセルの際に、複雑の情報連携をサポートする。

価格は導入規模によって変わるが、40施設に導入する場合はステップ1が150万円、ステップ2 が200万円、ステップ3が月額17万5000円を予定している。ダイハツではこのゴイッショという共同送迎を移動のプラットフォームにしたいそうで、買い物やお出かけのサポートや食事の配送など、地域の実情や要望に合わせてさまざまなサービスを加えていこうと考えている。

  • 山田清志
  • ゴイッショの全体像《画像提供 ダイハツ工業》
  • ゴイッショの目指す姿《画像提供 ダイハツ工業》
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