【ヤマハ E01 試乗】通勤快速の王者!? 最新EVの開発に携われるチャンスを逃すな…青木タカオ

モーターサイクル レスポンス

『NMAX』にも負けない加速力

スタートからスムーズに加速し、試乗用に用意されたクローズドコースの直線区間があっという間に終わってしまう。雨で濡れた路面にも関わらず、スラロームも軽快に通過できる。ヤマハ発動機が発表した新たな電動スクーター『E01(イーゼロワン)』だ。

「本格的なEVモビリティをつくろうと開発し、125ccエンジンと同等の動力性能を備えるものができました」

そう言うのは、開発責任者の丸尾卓也さん(ヤマハ発動機PF車両開発統括部CV開発部EM設計G)。実際、40km/hに達するまでのダッシュ力は、比較試乗した『NMAX』と同じかそれ以上といった感覚だ。

常用域でのトルクがスゴイ!

スペックは下記の通りで、発進領域で用いる低い回転域で発生するトルクの太さが際立つ。最高速は100km/hに設定され、原2スクーターであることを考えればトップスピードも充分ながら、スタートからの加速、常用速度域でのダッシュを得意としている。

■E01

最高出力8.1kW(11ps)/5000rpm

最大トルク30Nm(3.1kgf-m)/1950rpm

■NMAX

最高出力9.0kW(12ps)/8000rpm

最大トルク11Nm(1.1kgf-m)/6000rpm

破格のリースで利用価値大!!

市販車として販売するのではなく、月額2万円(税込み、対人対物無制限の保険も含む)で3か月間、実証実験用モデルとしてリースする。実施エリアは都市圏に限らず全国で、およそ90日間、6万円という破格で最新の電動スクーターに乗れるのだから応募者が殺到するかもしれない。

■実証実験への応募について

応募期間:2022年5月9日(月)〜5月22日(日)

参加条件:満20歳以上、小型限定普通二輪免許(AT限定含む)以上の二輪免許保有、応募者名義のクレジットカード保有、利用開始後のアンケートへの回答

受取期間:2022年7月1日(金)〜7月31日(日)

利用期間:車両受取日から3カ月間

実施エリア:全国

貸出窓口:全国のYSP(ヤマハスポーツバイク専門店)

リース台数:100台

リース料:月額2万円(税込み)

コネクテッドサービスにも期待

利用者は超破格で原2クラスの最新電動スクーターに乗れる一方で、ヤマハは実証実験のために利用実態などの情報収集を集めるのが大きな目的のひとつとしてある。車両に搭載する通信機能によって走行距離や区間などを把握し、今後のEVモデル開発へデータを活用するのだ。

駐車した場所やバッテリー残量をもとにした走行可能距離など車両データの一部は、利用者自身もアプリを通じて活用できるようになる予定。今後のEVモデル開発とともに、バイクのコネクテッドサービスへ向けた大きな前進とも言えるから、こちらも興味が尽きない。

ヤマハ国内初の原2EVへ

ヤマハは1991年の東京モーターショーで電動二輪『FROG(フロッグ)』を参考出品し、93年には電動アシスト自転車『PAS(パス)』を発表。2002年11月に原付1種クラス(50cc相当)の『Passol(パッソル)』を発売するなど、早くから継続的に二輪EVを提案し続けている。

『EC-02』(2005年)や『EC-03』(2010年)、『E-Vino』(2014年)とリリースを続け、2018年には台湾で『EC-05』を現地EV市場で強力なプラットフォームを持つ「Gogoro」と共同開発し、市場に送り込んできた。

日本向けではこれまで原付1種クラス(50cc相当)しかなかったが、『E01』は初の原付2種(〜125cc)となる。一般ユーザーを対象にした今回の実証実験は、プロジェクトリーダー丸尾さんの言葉通り、いよいよ本格的なEVモビリティを製品化していこうというヤマハの姿勢が伝わってくる。

フロントに充電口という斬新さ

『E01』は2019年の東京モーターショーでコンセプトモデルが参考出品され、給電のためにフロントマスクのリッドが開く姿が話題を読んだ。

「給電口が車体の正面にあれば、乗ってきてそのまま充電設備に向かえばいい。チャージャーのコネクターは意外と重いので、このデザインがとても便利です」と、丸尾さんが教えてくれる。

バッテリーは脱着のできない固定式とした。持ち運びを想定しないことで容量を増やすことができ、航続距離104km(60km/h定地走行時)を達成。充電は車両に付属するポータブル充電器(シート下トランクに収納可能)が100V電源に対応し、0%から満充電までは14時間かかる。

丸尾さんによると「毎日0%になるわけではないので、帰宅後に充電すればまた翌日に使える」とのこと。約5時間で0→100%の充電ができる200V電源普通充電器(オプション設定)や、約1時間で電池残量0%を90%まで回復できる急速充電器も使える。

ただし、充電コネクターは独自方式で汎用性はなく、既存の四輪EVのためにある充電ステーションは利用できない。200V電源普通充電器は設置工事費用がかさむし、急速充電器が身近にある環境をすぐに整えるのは難題だろう。実際の利用では、ポータブル充電器を使うことになりそうだ。

■200V電源普通充電器(有料オプション)

利用料:月額1000円(税込)

設置工事費用:約13万円

■急速充電器

5〜10か所程度の設置を検討中。

最新二輪EVの開発に携われる歓び

乗って驚くのは、その静粛性だ。「エンジンの排気音がしないため、開発時は車体各部のノイズが目立ってしまい、ひとつずつ解消した」と、丸尾さんは言う。音がしないから快適。遠出ができないにしても、走行時の疲労軽減にこの静かさはつながっている。

電動であることはもちろん、このように前例のない領域で開発が進むヤマハの最新EV。冒頭でリースへの申込みが殺到するかもしれないと述べたが、将来を占うこうした“先駆け”的なモデルに触れて、毎日乗って試せるチャンスはなかなかあるものではない。

自分の走行データが、今後のEV開発に活かされるというし、新しいモノ好きにとっては見逃せない機会となるだろう。

■5つ星評価

パワーソース:★★★★★

フットワーク:★★★

コンフォート:★★★★★

足着き:★★★★

オススメ度:★★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

  • 青木タカオ
  • ヤマハ E01《写真撮影 中野英幸》
  • ヤマハ E01《写真撮影 中野英幸》
  • ヤマハ E01《写真撮影 中野英幸》
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  • ヤマハ E01《写真撮影 中野英幸》
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  • 『E01』開発責任者の丸尾卓也さん《写真撮影 中野英幸》
  • ヤマハ E01《写真撮影 中野英幸》
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  • ヤマハ E01《写真撮影 中野英幸》
  • ヤマハ E01《写真撮影 中野英幸》
  • ヤマハ E01《写真撮影 中野英幸》
  • ヤマハの歴代EV『EC-03』《写真撮影 中野英幸》
  • ヤマハの歴代EV『EC-02』《写真撮影 中野英幸》
  • ヤマハの歴代EV『パッソル』《写真撮影 中野英幸》
  • ヤマハの歴代EV『E-Vino』《写真撮影 中野英幸》
  • NMAXと比較試乗《写真撮影 中野英幸》
  • ヤマハ E01と青木タカオ氏《写真撮影 中野英幸》
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