“バネ”の沼は想像以上に深くて面白い![カスタムHOW TO]

業界 レスポンス

硬さだけではない反発タイミングを変えることで、乗り心地が変わる。車高調を付けたら銘柄違いや長さ違いのバネで存分にチューニングを楽しむことができるのだ。

バネレートが同じでも

反発するタイミングはそれぞれ違う

現代ではほとんどの乗用車でコイルスプリングがボディを支えている。それは車高調でも同じで、車高調の場合はそのスプリングが交換できる。いわゆる直巻スプリングと呼ばれるもので、巻いてある径、長さが規格で合わせられていることが多い。

内径はIDと呼ばれ、これが60mmや65mmなどが主流。長さはインチ単位(25mm)で作られることが多く、100/125/150/175/200mmなどが使われることが多い。そして、バネレートである。これはそのバネを1mm縮めるのに必要な重さのことで、100kgを支えるとしたらバネレート10kg/mmなら10mm縮む。バネレートが20kg/mmなら5mm縮むわけである。一般的に車高調では、このバネレートがセッティングの対象となることが多い。「フロントが硬すぎるから12kg/mmから10kg/mmに変えてみよう」というような感じだ。しかし、実はバネレート以外にも重要な要素が存在する。それが「反発するタイミング」だ。

厳密に言えば固有振動数。この固有振動数はバネの設計によって異なり、固有振動数が高いバネを縮んだら素早く反発する。逆に固有振動数が低いバネだと押してから反発するまでにわずかに時間が掛かるのだ。固有振動数が低い、つまり反発タイミングが遅いバネはイメージで言えば、低反発クッションのような感じ。同じバネレートで同じように縮んでも、伸びるまでの時間がわずかに違うだけで実はハンドリングは大きく変わってくるのだ。

リアサスペンションはゆったりとしたバネにすると快適

反発するのがゆっくりだと乗り心地もふわっとソフトになりやすい。バネレートを落とすともちろんソフトな乗り味になるが、その分、ロールやピッチングの変化量も大きくなる。しかし、反発をゆっくりにする分にはロールやピッチングの量自体は変わらないので、大きくセッティングが変わることもない。そういったときに反発がゆっくりなバネにチェンジするという手もあるのだ。これはメーカーによって異なるが、低反発とか低応力などという表現で売られている場合があるが、概ね反発がゆっくりになる設計がされている。

サーキットでもこういったセッティングを用いることがある。リア駆動車でリアサスが沈んで、そこから反発がゆっくりになると、サスペンションが伸びるまでに時間が掛かる。一度沈んだサスが伸びにくくなるので、ゆったりとはするが、その分リアの荷重が抜けにくくなる。アクセルON時のトラクション性能のアップにつながるのだ。

フロントに高反発なバネを使うと

ステアリングレスポンスが上がる

ならばフロントはというと、サーキット走行をするなら高反発(反発の速い)スプリングが合うことが多い。ステアリング操作に対して素早くレスポンスするので、クルマをタイムラグなく動かしやすくなる。逆に高速道路メインでゆったりとクルージングするなら、前後ともゆったりとしたスプリングにしたほうが、乗り心地が全体に落ち着いて快適性が高まる。

スプリングの長さでセッティングを変える方法もある

この反発タイミングの調整だが、バネの設計以外にも長さで調整することもできる。バネの全長が長いほど反発タイミングはゆっくりになる。短いバネは素早く反発する。なので、1サイズ長いバネにしてみるなどもセッティングのひとつになるのだ。

ただ、車高調にはそれぞれ入れられるバネのサイズに限界がある。もっとリアをゆったりさせようと長いバネを入れたくても、それ以上入らないこともある。もっと反発を素早くしようと短いスプリングにすると、ストローク量が足りなくなってしまうこともある。なので、そういったときは特性のことなるスプリングをチョイスするしかない。

また、スプリングメーカーによっても反発タイミングを早めに設計しているメーカーや、逆にゆったりとした設計のメーカーもあるので、銘柄を変えることで特性を変えることもできるのだ。そういったスプリングだけのセッティングでも乗り味は大きく変わる。サスペンション自体の仕様変更となると約10万円ほど必要だが、スプリングだけなら2本で2万〜3万円から購入できるので、比較的手軽に変更できる。車高調を導入したらスプリングでのセッティングでリーズナブルに楽しむ方法もある。

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