新型シニアカー『WHILL Model S』試乗!…インターフェースに扱いやすさ実感

新車 レスポンス

次世代型電動車椅子を手掛けるWHILLは9月13日、“歩道を走れるスクーター”として『WHILL Model S』の先行受注を開始した。正式発売は11月より行われ、価格は21万8000円(非課税)から。車体の位置や状態を通信を介して確認できるModel S専用のサービス「WHILL Premium Care」も用意した。

◆ロングホイールベースがもたらす安定感のある走行フィール

高齢化社会を迎える中で、自動車免許を返納する人が年間60万人前後で推移している(WHILL調べ)。これまで返納後の足としては、電動アシスト自転車やシニアカーなどが候補となってきたが、前者はバランスの取り方に不安が残り、後者は介護用としての印象が強い。そうした概念を打ち破るべく登場した近距離モビリティがModel Sである。

その最大の特徴としているのが優れたデザイン性だ。これまでWHILLが用意してきたモデルは、いずれもデザイン性に優れるものの、どちらかといえば電動車椅子のカテゴリーから抜け切れてはいなかった。Model Sは従来よりも全長を長めにし、それに伴ってホイールベースを延長。加えて車体重量を63kgとしたが、これは今までのWHILL製品からするとかなりの重量級モデルだ。しかし、これがロングホイールベースとも相まって、クルマのような感覚で乗れる、高い走行安定性をもたらすことにもつながったのだ。

操作系も長年クルマを運転して来た人にも違和感なく乗れるよう一新された。これまではアームレストにあるコントローラーによって操作したが、Model Sではクルマやスクーターのハンドルをイメージした横に長い楕円状のステアリングを採用した。曲がるときはクルマやスクーターと同じように、このステアリングをで前輪を左右に傾けて操舵する。

そのステアリングの切り角はとても大きく、最小回転半径は148cm。発表会会場のステージ上でも簡単にUターンができるほどだ。実際に試乗してもその印象はすぐ実感できた。狙った通りの方向へ簡単に曲がっていけ、その操舵感はとても自然で不安をまったく感じずに操舵できたのだ。

◆誤操作防止にも配慮したシーソー式アクセルレバー採用

前進と後進は、ステアリングの中央にあるシーソー式レバーを使って行う。右側の「D」を手前に引けば前進、左側の「R」を手前に引けば後進となる。注目なのはこのシーソー式レバーが「D」と「R」が1本のシャフトでつながっていること。つまり、いずれかを手前に引くともう一方は必ず奥側に傾くので誤操作を防止できるというわけだ。

しかも、このレバーは引きしろに余裕があり、微調整が簡単にできる。ゆっくりと遅い速度で走るのも簡単だし、大きくレバーを引けば速度は上がっていく。一方で、レバーを離せばすぐにブレーキがかかるし、操作パネル上にあるダイヤルを設定しておけば不用意に速度が出てしまうことにもならない。ちなみに最高速度は前進が6km/hで、後進が2km/hとなっている。

最大登坂能力は10°で、最大7.5cmの段差を乗り越えることも可能。特にこの段差乗り越え性能はWHILL全モデル中、ナンバーワンの能力になるそうだ。

電源はクルマのエンジンをかけるように鍵を挿して回すとONとなる。キーホールの下には充電口もあり、航続距離は33kmと長めの設定だ。一方、バッテリーは「Model C2」などではリチウムイオンバッテリーを採用していたが、Model Sでは鉛バッテリーの採用となった。これはModel Sの普及価格を実現するための対応と考えていい。バッテリー自体は取り外して自宅で充電することもできるが、重量は15.5kgもあり、高齢者にそれを強いるのは少々キツイかもしれない。

ボディカラーは、ステアリングシャフトとなる部分で計4色を用意した。基本カラーのアイコニックホワイトに加え、オプションカラー(1万5000円)のシルキーブロンズ、ガーネットレッド、ラピスブルーの3色を揃える。ちなみに、これまでWHILLではボディカラーをホワイト、レッドというふうに呼んでいたが、今回はクルマのボディカラーを意識したカラー呼称に変更。ここにもクルマを長く乗ってきた人をターゲットにしていることが伝わってくる。

◆万一の事故対策や家族とつながっていられる安心プランも提供

そして、Model Sだけのプレミアムなサービスとして用意されたのが「WHILL Premium Care」だ。これは保険やロードサービス、メディカルアシストがセットになった「WHILL Smart Care」と、本人と家族がスマホアプリ上で車体の居場所や状態、お出かけ記録などの外出情報を共有できる「WHILL Family App」をパッケージ化したもの。料金は2万6400円(年額。月額2200円)。で2023年1月よりサービスをスタートさせる予定だ。なお、本サービスを利用するにはIoTモジュール「WHILL Premium Chip」(別売2万5000円)を装備した車体を選んでおく必要がある。

WHILLの代表取締役CEO 杉江理氏は発表会の席上、Model Sのユーザーターゲットについて「これまでラインナップしていたModel C2やModel Fは、100m程度を歩けるシニア層約500万人をターゲットとしていた。それをModes Sでは、さらに500mまで歩けるシニア層約700万人を加えた合計1200万人がターゲットとしている。これまでに従来比約3倍の試乗予約をいただいている」と述べた。

また、同社プロダクト・サービス企画室の赤間礼氏は「従来のシニアカーにはないデザインを採用し、気軽に乗れるよう車幅をコンパクトにしたことも大きなポイント。マンション居住者向けとしては、バッテリーを取り外して自宅で充電できる扱いやすさも採用している。Premium Careでは本人と家族が常につながることで、安心を得られることを重視した」と述べ、従来のシニアカーにはないコンセプトでModel Sは誕生していることを明らかにした。

  • 会田肇
  • WHILL Model S《写真提供 WHILL》
  • WHILL Model S《写真提供 WHILL》
  • 4つのカラバリを揃えたWHILL Model S《写真撮影 会田肇》
  • ステージ上でも自在に走れる取り回しの良さを披露した《写真撮影 会田肇》
  • クルマのステアリングを想定したインターフェース。中央のレバーで「D」が前進、「R」が後進となる《写真撮影 会田肇》
  • ステアリングをグリップしながら、アクセルとなるバーを手前に引くと発信する《写真提供 WHILL》
  • 段差乗り越え性能は7.5cm。WHILLの歴代モデル中、トップの性能だという《写真提供 WHILL》
  • 航続は満充電で33km《写真提供 WHILL》
  • ステアリングの下に電源スイッチがあり、その下には充電口を用意《写真撮影 会田肇》
  • コントロールボックスの左側にあるコントロールボックスの左側にある《写真撮影 会田肇》
  • LEDの前照灯《写真撮影 会田肇》
  • 後方からの被視認性を高めるため、後部のLEDランプは常に点灯する《写真撮影 会田肇》
  • 乗り心地を高めるためにしっかりとしたサスペンションを採用。写真はフロント《写真撮影 会田肇》
  • 走行は後輪駆動方式《写真撮影 会田肇》
  • 後部に備えられた車輪のロックボタン。万一バッテリーが切れてもロックを解除すれば手押しして移動できる《写真撮影 会田肇》
  • バッテリーは取り外しが可能だが15.5kgと結構重い《写真撮影 会田肇》
  • コンビニバックがぶら下げられるフックが別売で装着可能《写真撮影 会田肇》
  • 本人と家族がスマホアプリ上で車体の居場所や状態、お出かけ記録などの外出情報を共有できる「WHILL Family App」《画像提供 WHILL》
  • 新たに加わった「WHILL Premium Care」の概要《画像提供 WHILL》
  • ベースカラーとなる「アイコニックホワイト」《画像提供 WHILL》
  • オプションカラーの「ラビスブルー」(オプション価格:1万5000円)《画像提供 WHILL》
  • オプションカラーの「シルキーブロンズ」(オプション価格:1万5000円)《画像提供 WHILL》
  • オプションカラーの「ガーネットレッド」(オプション価格:1万5000円)《画像提供 WHILL》
  • WHILLの歴代電動車椅子は「Model S」で4代目となった《画像提供 WHILL》
  • 「Model S」は、100m程度の歩行能力を持つユーザーに加え、500m程度の歩行能力を持つユーザーもターゲットにする《画像提供 WHILL》
  • 「Model S」の前評判は良好で、すでに従来モデルと比べて約3倍の試乗予約を得ているという《画像提供 WHILL》
  • ホンダカーズ岐阜とホンダカーズ川越でWHILL全モデルを取扱い《写真提供 WHILL》
  • ホンダカーズ岐阜とホンダカーズ川越でWHILL全モデルを取扱い《写真提供 WHILL》
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