EV向け重要鉱物の供給網を強化、日米で協定締結[新聞ウォッチ]
日米両政府が、電気自動車(EV)の車載電池の生産に不可欠なリチウムなど重要鉱物のサプライチェーン(供給網)を強化する協定に署名したという。
◆米市場での日本車販売に追い風に
協定締結に伴い、米国が昨夏に打ち出したEV購入の支援策の対象に、日本製の素材を使った電池などを搭載したEVも含まれる見通しで、米国での日本車販売に追い風になりそうだ。
きょうの読売など各紙も「協定締結」について取り上げているが、このうち、産経が1面トップで「米EV税優遇日本も対象、電池材料調達で協力」と報じたほか、総合面にも「EV同盟日米再構築、供給網強化し主導権、米、対中包囲へ軌道修正」などとのタイトルで、詳しく伝えている。
◆5種類の「重要鉱物」
それによると、日米は、蓄電池の生産に欠かせない鉱物であるコバルトやグラファイト(黒鉛)、リチウム、マンガン、ニッケルの5種類を「重要鉱物」と位置づけ、採掘から製錬そして製品化までの供給体制について連携を強化するという。
蓄電池の製造は資源の採取から、完成までに複数の段階があり、供給網の安定化は容易でない。現状では重要鉱物の採掘や製錬は中国のシェア(市場占有率)が高いものの、日米が協力し、安定的に調達、製品化できる環境を整える狙いがあるようだ。
ただ、読売によると、「脱炭素社会の実現に向け、蓄電池需要は今後急拡大が見込まれ、車載用蓄電池の需要は2030年に19年比16倍に増えると試算される。今回の協定だけで蓄電池の安定調達が実現できるわけではなく、なお課題は多い」とも指摘している。
2023年3月29日付
●EV鉱物供給網日米強化、協定署名 蓄電池の安定製造図る(読売・6面)
●富士スピードウェイ、トヨタ完全子会社化、周辺施設の開発加速(読売・6面)
●高速→一般道→高速、充電目的なら「無料」、24年度から3社検討(読売・65面)
●エンジン車販売EUが容認に転換、日本車メーカー歓迎、課題は燃料コスト(朝日・3面)
●瀬戸内リッチな旅、東急・JR3社が豪華列車(朝日・7面)
●車CO2 35年に半減、日本提案EV目標はなし、G7声明原案(毎日・1面)
●ホンダ、トヨタ、米国でEV増産態勢(毎日。8面)
●米EV税優遇日本も対象、電池材料調達で協力、協定締結(産経・1面)
●私の課長時代、日本ミシュランタイヤ社長・須藤元氏(日経・17面)
- 福田俊之