都会派 ハリアー vs アウトドア派 エクストレイル、SUV 2車種の違いを徹底比較

業界 レスポンス

2020年にフルモデルチェンジを受けた現行のトヨタ『ハリアー』、発売1か月後には目標販売台数の約15倍の受注を獲得したという大ヒットモデルである。現在も安定した人気を継続しているハリアーとライバルモデルの比較を行った。

第2弾は2022年に上市したばかりの日産『エクストレイル』との比較をお届けする。なお、エクストレイルにはエクストリーマーXとオーテックの2つのラインも存在するが、今回は標準モデルのみ扱う。

◆ボディ外寸比較

・ハリアー主要外寸(mm)

全長:4740

全幅:1855

全高:1660

ホイールベース:2690

最低地上高:190〜195

・エクストレイル主要外寸(mm)

全長:4660

全幅:1840

全高:1720

ホイールベース:2705

最低地上高:185〜200

ハリアーとエクストレイルのボディサイズを比較すると、エクストレイルのほうが全長で80mm、全幅で15mm小さい。にも関わらずホイールベースはエクストレイルのほうが15mm長い。ハリアーのオーバーハング成分は2050mmだが、エクストレイルは1955mmと少ない。クロスカントリー4WDらしいスタイリングのエクストレイルだが4WDの最低地上高は185mmとあまり稼げていない。

続いて室内寸法とラゲッジルームの寸法、容量をみていく。

◆主要室内寸法

・ハリアー室内寸法(mm)

室内長:1880

室内幅:1520

室内高:1215

・エクストレイル室内寸法(mm)

室内長:1980〈2530〉

室内幅:1540

室内高:1255

〈 〉内は3列シート車

◆主要ラゲッジルーム寸法・容量

・ハリアーラゲッジルーム寸法(mm)・容量(リットル)

定員乗車時最大長:985

2名乗車時最大長:1805

最大幅:1265

最大高:750

定員乗車時容量:409〜408

2名乗車時容量:1045〜1049

・エクストレイルラゲッジルーム寸法(mm)・容量(リットル)

5名乗車時最大長:951〜1176

2名乗車時最大長:1821〈1821〉

最大幅:1326

最大高:841〈830〉

定員乗車時容量:575〈140〉

2名乗車時容量:-

〈 〉内は3列シート車

ハリアーとエクストレイルのパッケージングで最大の違いとなるのが、3列シートモデルをラインアップすることである。エクストレイルはボディ全長を伸ばさず、そのままで3列シートを取り付けているので、3列目の居住性はさほど高くはなく、あくまでエマージェンシー用のものと考えたほうがいい。

ハリアーとエクストレイルの比較は2列シート車同士で行った方がいいだろう。室内長についてはエクストレイルのほうが100mmほど長い。ラゲッジルーム長の差は100mmに満たないので、エクストレイルのほうが上手なパッケージングといっていいかもしれない。ラゲッジルーム容量を見ても、エクストレイルのほうがタップリとした容量を確保している。

ハリアーのパワーユニットは3種で2.5リットル直4を使ったプラグインハイブリッドとハイブリッド、2リットル直4のピュアエンジンの3種。対するエクストレイルは1.5リットルの直列3気筒ターボにモーターを組み合わせたシリーズハイブリッドのみとなる。スペックは以下に記載する。

◆パワーユニットスペック

ハリアー用

・2リットルガソリンエンジン

タイプ:直列4気筒

排気量:1968cc

最高出力:126kW(171ps)/6600rpm

最大トルク:207Nm(21.1kgm)/4800rpm

・2.5リットルガソリンハイブリッド

エンジンタイプ:直列4気筒

エンジン排気量:2487cc

エンジン最高出力:131kW(178ps)/5700rpm

エンジン最大トルク:221Nm(22.5kgm)/3600〜5200rpm

フロントモーター最高出力:88kW(120ps)

フロントモーター最大トルク:/202Nm(20.6kgm)

リヤモーター最高出力(4WDのみ):40kW(54ps)

リヤモーター最大トルク(4WDのみ):121Nm(12.3kgm)

駆動用バッテリータイプ:リチウムイオン

駆動用バッテリー電圧/容量/セル数:3.6V/3.7Ah/70個

駆動用バッテリー総電圧/総電力量:259V/13.7kWh

・2.5リットルガソリンプラグインハイブリッド

エンジンタイプ:直列4気筒

エンジン排気量:2487cc

エンジン最高出力:130kW(177ps)/6000rpm

エンジン最大トルク:219Nm(22.3kgm)/3600rpm

フロントモーター最高出力:134kW(182ps)

フロントモーター最大トルク:/270Nm(27.5kgm)

リヤモーター最高出力:40kW(54ps)

リヤモーター最大トルク:121Nm(12.3kgm)

駆動用バッテリータイプ:リチウムイオン

駆動用バッテリー電圧/容量/セル数:3.7V/51Ah/96個

駆動用バッテリー総電圧/総電力量:355.2V/18.1kWh

エクストレイル用

・1.5リットルガソリン シリーズハイブリッド

エンジンタイプ:直列3気筒

エンジン排気量:1497cc

エンジン最高出力:106kW(144ps)/4400〜5000rpm

エンジン最大トルク:250Nm(25.5kgm)/2400〜4000rpm

フロントモーター最高出力:150kW(204ps)

フロントモーター最大トルク:/330Nm(33.7kgm)

リヤモーター最高出力:100kW(136ps)

リヤモーター最大トルク:195Nm(19.9kgm)

駆動用バッテリータイプ:リチウムイオン

駆動用バッテリー電圧/容量/セル数:-V/-Ah/96個

駆動用バッテリー総電圧/総電力量:-V/1.8kWh

ハリアーのパワーユニットはピュアエンジン、ハイブリッド(シリーズ-パレレル・ハイブリッド)、プラグインハイブリッドの3種で多彩だ。ピュアエンジンはエンジンの動力を、ハイブリッドはエンジンの動力にモーターの動力でアシスト、プラグインハイブリッドはアシストだけでなくモーターのみで走行するEVモードも設けられている。

一方、エクストレイルはe-Powerの名で呼ばれるシリーズハイブリッド方式である。このシステムはエンジンで発電した電気を使ってモーターで車輪を駆動するもので、エンジンの動力が直接駆動輪に伝わることはない。『ノートe-Power』などでも使われている機構だが、エクストレイルの場合は使用しているエンジンに特徴がある。エクストレイルに採用されているKR15DDTは可変圧縮比システムを採用する。通常のエンジンは圧縮比が一定だが、KR15DDTは圧縮比が8.0〜14.0の間で変化し効率を高めている。

◆足回り比較

ハリアーの駆動方式はピュアエンジンモデルがFFと機械式の4WD、ハイブリッドモデルがFFとリヤアクスルをモーターで駆動する4WDのe-Four、プラグインハイブリッドはe-Fourのみとなる。エクストレイルはFFとe-4ORCE(イー・フォース)と呼ばれる電動4WDの2種。e-4ORCEはフル電動の『アリア』でも使われている技術で、前後に適切なトルク配分を行いながら、4輪独立ブレーキ制御で左右の駆動力を制御し、走破性を向上している。

WLTC燃費は次のとおりとなる。( )内は4WDで単位はkm/L。

●WLTC燃料消費率

・ハリアー

ピュアエンジンモデル:15.4(14.7)

ハイブリッドモデル:22.3(21.6)

プラグインハイブリッドモデル:(20.5)

・エクストレイル

5名定員:19.7(18.4)

7名定員:(18.3)

ハリアー、エクストレイルともに使用燃料はレギュラーガソリンである。ハリアーのハイブリッドとプラグインハイブリッドの燃費の差でプラグインハイブリッドのほうが燃費が悪いのである。予測としてはプラグインハイブリッドのほうが大きなバッテリーを積むのが要因だが、ハリアープラグインハイブリッドはバッテリー走行可能距離が93kmもある。エクストレイルは5名定員のFFが19.7km/Lで、4WDが18.4km/Lというデータ。エクストレイルとハリアーを比較するならハリアーはハイブリッドモデルが妥当だろう。ハリアーのほうがFFでは2.6km/L、4WDでは3.2km/Lも燃費がいい。ハリアーのハイブリッドはFFが1620〜1690kg、4WDが1680〜1750kgという車両重量だが、エクストレイルの5名定員モデルはFFで1740〜1780kg、4WDで1840〜1880kgと100kg以上重く、これが燃費に大きく影響していそうだ。

◆バリエーション&価格

それぞれの価格とバリエーションは次のとおり。( )内は4WD。

・ハリアー/ガソリンモデル

S:312万8000円(332万8000円)

G:352万9000円(372万9000円)

Z:403万8000円(423万8000円)

Zレザーパッケージ:433万8000円(453万8000円)

・ハリアー/ハイブリッドモデル

S:371万8000円(393万8000円)

G:411万9000円(433万9000円)

Z:462万8000円(484万8000円)

Zレザーパッケージ:492万8000円(514万8000円)

・ハリアー/プラグインハイブリッドモデル(4WDのみ)

Z:620万円

・エクストレイル

S:351万0100円(375万9800円)

X:374万8800円(404万9100円)

G:444万8400円(474万8700円)

X[3列]:(418万円)

ハリアーもエクストレイルもFFと4WDを広く用意している。ただし、ハリアープラグインハイブリッドとエクストレイルの3列シートモデルは4WDのみの設定となる。ハリアーのハイブリッドモデルとエクストレイルを比較するとハリアーはFFが371万8000〜462万8000円(レザーパッケージをのぞく)、エクストレイルは351万0100〜444万8400円(3列モデルをのぞく)。4WDはハリアーが393万8000〜484万8000円(レザーパッケージをのぞく)、エクストレイルが375万9800〜474万8700円(3列モデルをのぞく)となる。おおよそエクストレイルのほうが20万円程度リーズナブルだ。ハリアーのZレザーパッケージはZに比べて30万円高となるが、エクストレイルのGに選択可能なナッパレザーシートは15万4000円で装着できる。

ハリアーは都会派のクロスオーバーSUVであるが、エクストレイルはどちらかといえばアウトドア派のSUV。とはいえ、もっとアウトドア派で道具感の強かった先代モデルと比べると、ずいぶんとソフィスティケートされたモデルとなっている。エクストレイルの場合は、エンジンを搭載しているとはいえ駆動力はすべて電力なので、ドライブフィールはEVに近い。また、3列シートはハリアーには用意されない。そうした設定を見ると、両車はライバルのようでありながら、オリジナリティあふれる部分も多く、正面を切ってライバルになるモデルではないと言っていいだろう。

  • 諸星陽一
  • ハリアー vs エクストレイル
  • ハリアー vs エクストレイル
  • トヨタ ハリアー ハイブリッドZ《写真撮影 中村孝仁》
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  • トヨタ ハリアー ハイブリッドZ撮影 中村孝仁
  • トヨタ ハリアー ハイブリッドZ撮影 中村孝仁
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  • トヨタ ハリアー ハイブリッドZ撮影 中村孝仁
  • トヨタ ハリアー ハイブリッドZ撮影 中村孝仁
  • 日産 エクストレイル 新型《写真撮影 中野英幸》
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