前だったり後ろだったり性能にどんな違いがある? ブレーキキャリパーの位置がクルマによって異なる理由とは

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この記事をまとめると

■ブレーキキャリパーは走りを感じさせるパーツのひとつ■メーカーや車種によって取り付け位置が異なる■ブレーキキャリパーの位置にはどんな意味があるのだろうか?

ブレーキキャリパーの位置がクルマによって違うのはなぜ?

 超ロープロファイルタイヤ&大径ホイールの組み合わせは、見た目にダイナミックで走りの性能を彷彿とさせるが、ホイール越しに見えるディスクブレーキのキャリパーも、こうした意味では走り(=強力な制動)を連想させるメカニカルパーツのひとつと言えるだろう。とくに、ブランド物のブレーキを採用(装着)しているクルマでは、メーカー名のロゴや赤、青といった色で塗られたキャリパーが見えると、それだけで高性能車と受け取ってしまうから、視覚的な満足度も大きい装備である。 ところで、このキャリパーだが、よく見るとメーカーや車種によって取り付け位置が異なっていることに気付かされる。フロントなら前側か後ろ側か、リヤについても同じである。なぜ、装着位置が異なっているのだろうか? ひょっとして、装着位置によってブレーキの性能に違いが現れるのだろうか。 クルマによってブレーキキャリパーの位置がなぜ違うのか、これを考えてみることにしたがその前に、ブレーキとはなんぞや、という基本的なことについておさらいしておこう。ブレーキとは、走るクルマの運動エネルギーを、ブレーキパッドやブレーキシューがブレーキローターやブレーキドラムに接する摩擦で熱エネルギーに変え、それを大気中に放散することで減速効果を得る制動システムである。 つまり、運動エネルギーをより多くの熱エネルギーに変えて大気中に放散できるブレーキシステムが、強力なブレーキと言うことが出来る。

装着位置は放熱性と重量バランスによって決まる!

 さて、量産車のブレーキシステムだが、ホイールの中にすっぽりと収まり、さらにそのタイヤとホイールはホイールハウス内に位置することになる。この場合、ブレーキから見た問題点は、走行中のホイールハウス内の空気流がどうなっているかで、流れる空気量が多い位置、空気の流れが速い位置ほど放熱性に優れることになる。つまり、この位置にブレーキキャリパーを装着すれば、より高い制動能力が得られることになる。 重量の問題もある。キャリパーとパッドの重量は、決して軽くはなく、高性能ブレーキで4ポッド、あるいは6ポッドとマルチポッドタイプになると、キャリパー自体の重量(当然軽量化対策としてアルミ合金製となるが)も見過ごせない数値となる。これをフロントは前側、リヤは後ろ側に装着した場合と、フロントは後ろ側、リヤは前側に装着した場合とでは、重量バランスが違ってくる。当然、重量物はより車体の中央近くに配置するのが理想で、このブレーキキャリパーの例で言えば、後者の場合となる。 わかりやすいのは、究極のブレーキ性能が要求され、ホイールハウスを持たないレーシングカー、フォーミュラマシン。それを例に見ると一目瞭然だ。フロントキャリパーは後ろ側、リヤキャリパーは前側に装着されている例がほとんどといってよい。タイヤ/ホイールが剥き出しで、キャリパーの放熱性に関しては問題がない。とすれば、より重量バランスに優れる位置に装着されるのが常識的だ。 ブレーキキャリパーの装着位置は、放熱性、重量バランス、この2点によって決まってくると言ってよいだろう。

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