塗るよりも手軽にボディ色を替えられる……がいいことばかりじゃない! カーラッピングのメリット・デメリットとは
この記事をまとめると
■最近クルマにラッピングを施す人が増えている■ラッピングはクルマにフィルムを貼る手法だ■人気の理由と注意点について解説する
愛車の模様替えが容易にできる「ラッピング」
ラッピングはクルマにフィルムを貼る手法。これまでクルマの色を変えるといえば全塗装(オールペイント)だったが、急速にラッピングが増えている。
ラッピングが増えている理由1:さまざまなカラーリングや柄ができる
最大のメリットは細かい絵や図柄を入れられること。複雑な模様だったり、痛車のような絵を入れようと思ったとき、オールペイントだったらまずは下色を塗って、そこに順番に絵を描いていくという膨大な手間がが必要だった。※写真はイメージ ラッピングはベースのフィルムにあらかじめ絵や図柄をプリンターで印刷することが可能。その印刷済みフィルムを貼っていくので、複雑な絵や図柄が遥かに簡単にボディに描くことができるようになった。
ラッピングが増えている理由2:剥がせるので元に戻せる
フィルムを貼っているので剥がせば元通りになるのも大きなメリット。定期的に図柄を変えることもできるし、中古車として手放すときにノーマル状態に戻すこともできる。そういったことからフェラーリやランボルギーニなどの超高級車にもラッピングを施す人が増えているのだ。※写真はイメージ 最近ではパーツメーカーやショップデモカーでもラッピングが多い。これも定期的な車両入替時にノーマルに戻して売買できるので、高く売りやすいから。
ラッピングが増えている理由3:フィルムの性能が上がって質感もよくなった
フィルムは急速に進化していて、ここ数年でもどんどん変わってきている。昔よりも遥かに貼りやすい=工賃が安くなりやすいというメリットもある。空気が入ってしまっても数日すると抜ける素材も多い。また、これまでは色に限りがあったり、質感や艶がイマイチなフィルムもあったが、最近ではそういった部分も大幅に進化した。
剥がす時には塗装が剥がれるリスクも
ラッピングが増えている理由4:ボディの保護をしてくれる
ボディ表面にフィルムを貼るので、飛び石など細かいキズから守ってくれる効果もある。本格的に保護目的なら専用のフィルムもあり、そちらはかなり高価。高級車向けにカット済みで、リップとバンパー、ボンネットの前側だけなどを保護性能の高いフィルムで覆うキットなどもあり、30~50万円ほどするが手放す時の査定を考えると安いかもしれない。
ラッピング時に気をつけたいこと1:じつは全塗装よりも高いことも多い
安価に思われがちだが、1台をまるまるラッピングすると100万円近くなることもある。材料費というよりも大きなコストの原因は手間。そうなるとルーフやボンネットはじつはわりと簡単でサクサク貼れるので、それほどコストは掛からない。 お金がかかるのはドアの内側とか、ドアミラーとか、細かい湾曲した部分にはテクニックも時間も必要になるのでどうしてもコストが掛かってしまう。1台まるまるもとのクルマの色がわからないようにラッピングすると結構な金額になってしまう。 お手頃価格でできるとしたら、ルーフとボンネット、トランクなどの大きな湾曲の少ない部分。そういった部分にイメージチェンジ的にほどこせば、数~数十万円で収められるだろう。
ラッピング時に気をつけたいこと2:剥がす時には塗装が剥がれるリスクもある
古いクルマでなければそれほどリスクは大きくないが、フィルムを剥がすときに一緒に塗装が剥がれてしまうこともある。長く貼ればそのリスクは高まる。また、そもそもフィルム自体が塗装よりも色が褪せたりしやすいので、5年も10年も持つものではない。数年楽しめるというくらいで考えてもらいたい。