アルファロメオらしさって一体なんだ? 「変革」をテーマにしたSUV「トナーレ」のデザインから考えてみた

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この記事をまとめると

■アルファロメオのミドルサイズSUVとして「トナーレ」が登場した■「トナーレ」のデザインにアルファロメオらしさがあるか推察する■新しい時代へ向けたアルファロメオ第1号という見方もできる

話題のSUVから見る”らしさ”とは

 1月26日に発表された新型「トナーレ」は、アルファロメオのブランド変革を指す「ラ・メタモルフォシ(変革)」を体現したミドルサイズのSUVとして、エモーショナルなイタリアンデザインが自慢とされます。では、トナーレのデザインはアルファロメオらしいと言えるのでしょうか? あらためてチェックしてみたいと思います。

希薄になりつつあったデザインテーマ

 アルファロメオによると、トナーレのデザインはヘリテージと先進性を融合させた「タイムレス」な表現が特徴だとされます。では、そのデザインはアルファらしいのか? 結論から言うと、「ただいま絶賛整え中」と言えそうです。 そもそも、アルファらしいとはどんなデザインなのか? たとえば、近年で言えば1980~90年代の「164」や「155」、ヒットした「156」「147」などには極めてわかりやすい特徴がありました。アルファ・ブランドとして、新しく、かつ明快なデザインテーマがあったのです。ただ、その流れは「159」や「ブレラ」を最後に一旦途絶えたように思えます。 その後の3代目「ジュリエッタ」や「ミト」にも魅力はあったものの、ラインアップを貫通する明快なテーマや新しさが感じられませんでした。話題になった「4C」も、逸品モノ的な美しさはありつつ、デザイン的にはどこか後ろ向きな姿勢が。また、現行の「ジュリア」は仮想敵であるドイツ車を少々意識し過ぎたのか、若干国籍不明なところもあります。

まだまだ道の過程と言えそうだ

ヘリテージと新しさの融合

 その点、「変革」を謳うトナーレには新しいアプローチが感じられます。たとえば、フロントの特徴的な3連のU字形デイタイムランニングライトは、1989年に登場したザガートによる「SZ」から着想を得たそう。ここで肝心なのは、単に片側3つのランプがSZに似ているということではなく、中央の楯型グリルと横一文字につながったフロントフェイス全体に新しさがある点です。 現行のジュリアや「ステルヴィオ」では、ランプと楯の関係がいまひとつ中途半端でしたが、これを一体とすることで強い個性を出しながら、同時にコンパクトに見せることに成功しています。 また、サイド面では、往年の「ジュリアGT」を想起させる、シンプルで官能的なショルダーラインが特徴と謳われています。前後に向けて緩やかに下るショルダーラインと、これに沿うドア面のプレスラインです。 ここも、単にショルダーラインの形状だけでなく、これによってボディの下半身全体が緩やかな山形となり、そこに比較的シャープなキャビンが載るという「2段構造」になっているのが見所です。 上級のステルヴィオは、その大きさを生かして優雅なウエーブ状のショルダーラインを描いていますが、全長4530mmのミディアムボディであるトナーレは、前後を下げて張りのあるボディとしたことが巧妙です。とりわけ、フロントのフード先端はかなり下げられていて、低く構えた「顔」は、SUVというよりセダンかコンパクトハッチのような佇まいです。

これからの展開こそが楽しみ

 多くのライバルと同様、トナーレも一見オーソドックスなSUVシルエットであり、ボディの構成に革新的な特徴を持っているわけではありません。それでも、過去の名車の特徴を現代的に解釈したユニークな要素を積極的に盛り込んでおり、結果として凝縮感のある独特なスタイルを生み出しました。 つまり、トナーレは次の新しいアルファ・デザインへようやく踏み出したところであり、まさにいま「絶賛整え中」と言えるのです。

  • 新時代のアルファロメオを目指したトナーレのデザインをじっくり観察してみた
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