100℃どころか200℃超えも当たり前! クルマは「触るとヤケドするぜ」な場所だらけだった
この記事をまとめると
■クルマのなかで高熱になりやすい箇所を紹介■ブレーキローターは600〜700℃に達することもある■油脂類も簡単に天ぷらが揚げられるレベルの温度に達する
クルマは想像以上に熱を帯びまくっている!
エンジンでガソリンを燃やしている以上、その周辺部ではものすごい熱が発生している。なのでエンジンルームが熱いのは当たり前だが、ほかにもクルマにはあつあつの部分が多数存在する。 まずブレーキ。ブレーキはエンジンの熱とは関係なく、ブレーキを掛けたときに摩擦して熱が発生している。パワーのあるクルマでブレーキに厳しいコースを連続周回すると、レースでないのにも関わらずローターが赤くなることがあるほど。これはレースでもよくみられる現象だ。 だいたいこのときのローターの温度は600℃以上。ミニサーキットでもブレーキに厳しいコースでは700℃くらいまで上昇することがある。走行直後にタイヤ交換をしようと思っても、ホイールが持てないほど熱くなることは珍しくない。半ズボンで横に立っているとすね毛が熱で縮れてしまうのでは!? と思うくらいの熱なのだ。 なので、サーキット走行でクーリングもせずに全開からいきなり停止するのはよくない。ブレーキローターが高温になり、パッドと接している部分だけなかなか冷めず、周囲は冷めてしまうのでローターが熱でひずんでしまう可能性があるのだ。走行終了時はコース内でクーリング走行するか、パドック内を数分ゆっくり走るなどして、なるべくローター温度を下げてからクルマを止めるようにしたい。 なお、ローター温度が600℃以上になると、キャリパー自体も200℃以上になることがある。なので、キャリパーも触れると火傷してしまうので注意が必要だ。 ちなみにタイヤも高温になる。夏場にサーキットをガンガン走ると70℃~80℃くらいになり、素手では触れないほどだ。高速道路の走行でも夏場は素手で触るには十分熱く感じる温度になる。わざわざタイヤを触ることはないと思うが、このようにタイヤも摩擦によって熱を持つのだ。
興味本位で触るのは厳禁!
クルマのパーツのなかでも、マフラーは熱を持つと思われがち。だが、ブレーキのように何百℃というほどは熱くならないことが多いのだ。一般的なフロントエンジンのクルマの場合はエンジンからの距離があるので、その間に徐々に温度が下がってくるというわけ。 なので逆に言えば、エンジンから近いエキマニとかフロントパイプなどは、連続で全開走行すると赤くなるほど熱を持つこともある。排気ガスをモロに受け止めるターボ(タービン)ももちろん高温になる。あらゆるネジが熱でダメージを受けるほどだ。また、ミッドシップなどのリヤエンジン車は、排気ガスが冷える距離が短いので必然的にマフラーも熱くなりやすい。 エンジンルームはエキマニや、エンジン本体の熱で温度が上がるが、数百℃ということはない。ラジエターも100℃くらいで、オイルクーラーも120℃くらいになる。エンジンルーム内は走行中で100℃以下になるといったイメージ。それでもそのくらいの温度にはなるので、配線などは徐々にダメージを受けていくのだ。 そして、意外と高温になるのはインタークーラー。ブーストが掛かって、空気を圧縮すると熱を持つ。その熱を放出して、少しでも体積を小さくしてエンジンに少しでも多くの空気を送り込むための装置がインタークーラー。内部の空気は200℃以上になるので、瞬間的にはラジエーターやオイルクーラーよりも高温になっている。 あとは意外と高温になるのが駆動系オイル。ミッションはエンジンからの熱を受けるが、FR車のリヤデフは熱源がないので温度が上がりにくいと言われることもあるが、これは車種によって大きく異なる。機械式LSDが入っていて、内部でプレートが摩擦すると熱が発生し、車高を下げたりフロントリップスポイラーなどを装着しているとフロアに走行風が入らずに冷えにくくなる。アルテッツァのワンメイクレースでは180℃とか200℃を超えたなんて話があるほど。 ミッションオイルも、GR86&BRZ Cupでは、ミッションオイルクーラーの装着が義務付けされたほど。オイルクーラーがないと170℃とか180℃にまで温度が上昇したという。天ぷら油の適温くらいにまでオイルが熱せられると大ダメージを受けてしまい、すぐにでも交換が必要になってしまうケースに陥るのだ。