小さいほうがラクだけど「映え」も「気品」も重要! 運転が苦手な「山手の奥様」に乗って欲しいコンパクトカー3選+α
この記事をまとめると
■お金持ちの奥様にオススメのコンパクトカーを紹介■コンパクトカーには個性的なキャラクターを持っているモデルが多い■オシャレな旧車というのも選択肢としてはアリかも!?
お金持ち向けのセカンドカーをセレクトしました
ある一流企業の会長代行とドライブをしていた際、街道沿いのコンビニに立ち寄ることになりました。左折して入ろうとすると、前を走っていたベントレー・ベンテイガもコンビニへと左折。ウインカーのタイミングがギリギリでしたが、コンビニの手前ではよくあるシーンかと。 ベンテイガは入口間近の駐車スペースを目指したようですが、フロントノーズから入れればいいものを、切り返してテールから入れようとしたのでしょう。一度ノーズを入れてから、バックして切り返し、ベンテイガの向きを変えようという動き。 ところが、これがギクシャクしていることといったらありません。ごく低速だというのにアクセルとブレーキの踏み方がじつに乱暴&雑。ベントレーが前後にガックンガックンしまくりです。挙句の果てにはステアリングのまわし方があてずっぽうなために「プー」と勢いよくクラクションまで鳴らす始末。 ようやくベンテイガを(斜めに)停めて、降りてきたのは予想どおりなお金持ち風ばーちゃん。それを見た筆者が「ろくに乗れないのに、あんなデカいの乗らなきゃいいと思うんですがね」とつぶやくと、運転席にすわった会長代行が「すまんな。あれでもちっとは上達したんだ」と申し訳なさそうな顔。笑顔で「あっち空いてるわよ」と指をさすばーちゃんは、よく見たら会長代行の奥様だったのです。筆者こそ申し訳ない顔になったことは言うまでもありません。 だいたい、お金持ちの男性というのは大きなクルマを選びがち。とはいえ、運転上手というかそつなくこなしている方はさほど多くない、というのも定説かと。さらに、その奥様にいたっては「目を覆いたくなる運転テク」というのも、イントロのエピソードかのようにガチであります。そこで、お金持ちが乗るにふさわしい「コンパクトカー」をいくつか見繕ってみました。会長代行や、奥様が乗っても金持ちらしいエクスキューズが効き、しかも可愛らしいというクルマは少なからずあるのですよ。
ホンダ Honda e
いわずと知れたホンダのBEV第1号車。いまどきコンパクトEVなど珍しくもありませんが、これ、駆動モーターをリヤに搭載したRRパッケージなのです。つまり、フロントパートの設計自由度が上がったため、びっくりするほど小まわりが利くのです。最小回転半径は軽自動車並みの4.3mなので、切り返しやUターンをしてみれば「なんでこんなに楽チンなの」と誰もが驚きを隠せないはず。 サイドカメラミラーというシステムもまた、慣れたら手放せないくらい見やすく、使いやすいもの。もう狭い駐車場でガックンバッタンとはおさらばです。 また、ライバルEVに比べて、かなり割高というのも見栄をくすぐるポイントかと。なにしろ、同社のアコードより高価格設定ですので、販売面で苦戦しているというのも大いに納得です。もっとも、そのぶん流通量も少ないので、発売後しばらく経っていますが、いまだフレッシュで存在感も薄れていません。ホンダ自体も「セカンドカー」として乗ってほしいみたいなことアピールしていますので、大型SUVやフルサイズセダン、はたまたアルティメットスーパーカー、いずれの横にいてもお似合いじゃないでしょうか。
輸入車がいい人にはこちらをどうぞ
フィアット・パンダEASY
運転がさほど上手でない方には、本来であればトールボーイの軽自動車をおすすめしたいところ。アイポイントが高く、車体の四隅をつかみやすく、しかもコンパクトなサイズとくればどこへでかけても怖いものなし。ですが、お金持ちはケチなフェーズでは徹底的に経済合理性を突き詰めるくせに、妙に見栄を張る傾向があるため「軽自動車はちょっとねぇ」となりがち。 そこで、軽の枠に収まるようなサイズながら、輸入車という見栄も張れ、しかも可愛らしいというフィアット・パンダEASYです。ターボ付きとはいえ2気筒875ccというミニエンジンですが、イタリアの山村をブイブイ走りまわれる元気なもの。イージーの名のとおりATで乗れますが、慣れたらシフトレバーをクニャクニャかきまわすのもオツなもの。お迎えにいったお孫さんが「ばーちゃん、なにやってんの?」と目をキラッキラさせること請け合いです。 セカンドカーとして乗り倒すのであれば、ファーストカーもぜひイタリアンメイドにこだわってほしいもの。フェラーリのプロサングエあたりだと、パンダとのコントラストが効いてじつにリッチなガレージに見えるのではないでしょうか。
ルノー・トゥインゴ
どうやらトゥインゴの名はディスコンとなり、後継には「5(サンク)」という伝説的な車名が復活する噂もあるようです。いずれにしろ、コンパクトで魅力的、かつ高級っぽいニュアンスを作らせたらルノーの右に出るメーカーはありません。 ベースはスマートだったのですが、いつの間にか本家のモデルは消滅。900ccターボエンジンをリヤに搭載するパッケージはいまやこのトゥインゴのみ。前述のHonda e同様に、4.3mという最小回転半径が意味するのは、「どこでも自由自在」な取りまわしが期待できるところ。スラントしたノーズの見切りも良好なので、あたかも船積みドライバーのようにセンチ単位で駐車できるようになるのも夢ではありません。 ただ、個人的にはスタイリングにクセというか、キャラが薄い気がします。ビビッドなボディカラーも悪くはありませんが、それこそ往年の「サンク・バカラ」のような深い色目で「ひっそり暮らすブルジョワ」を気取ってもいいのかと。ならば、購入時にオールペン、インテリアも外装にあわせて総張替え、なんて贅沢はいかがでしょう。乗り出し300万円に届くか届かないって、エルメスのバーキンより安いわけですからね。
バンデンプラ・プリンセス(番外編)
そもそもバンデンプラは、ロールスロイスやベントレーのボディを架装するコーチビルダーとしてスタートしていますから、メインユースがロールスやベントレーだったりしたらセカンドカーとしてはピッタリなチョイスかと。「クラシックカーは手間ひまかかって、普段使いには向かないのでは?」というご懸念もごもっともですが、お金持ちらしく金に糸目をつけずにメンテナンスしておけばまず問題ありません。ATやパワステだってあるし、一応クーラーだって付けられますから、コンパクトに乗りこなすにしても「気品」みたいなものが欲しいお金持ちにはオススメです。 金持ち仲間から「あら、ずいぶん古いの乗ってるわね」なんて言われても「手間ひまかかるけど、祖父の形見なの。オホホのホ」などとカウンターパンチをお見舞いできるはず。 もっとも、安全装備となると、ABSはおろかエアバッグすら装備されていないので、トーマス・クラウン・アフェア(華麗なる賭け)のマックイーンばりに厭世観を持ち合わせていないと、普段乗るのはためらわれる方もいらっしゃるかと。それでも、生命保険の増額くらいで見栄を張れるのなら安い買い物ではありませんかね。