5リッターV8をひっさげてコブラが蘇る! ACカーズの新車「ACコブラGTロードスター」とは
この記事をまとめると
■ACコブラをACカーズが「コブラGTロードスター」として復活させる■かつてのACコブラのスピリッツを継承して最新テクノロジーを取り入れた現代版マッスルカー■663馬力のフォード製5リッターV8を搭載し、価格は約4636万円からとされている
見事なまでに再現されるコブラなスタイリング
2022年12月、イギリスのACカーズからニューモデルとなる「コブラGTロードスター」の第一報が届いたとき、多くのマッスルカーファンの興味は、それがいつ発売されるのかに集中したのかは想像に難くない。ACカーズでは、そのデリバリー開始を2024年に計画しているが、それに先行して2023年4月からヨーロッパでプレビューイベントをスタート。ここでカスタマーに実車を披露するスケジュールをすでに決定している。 ACカーズの名前が、1960年代にアメリカのシェルビー・アメリカン、そしてフォードとのコラボによって誕生した「ACコブラ」によって世界に轟いたのは、改めて詳しく解説するまでもないことだが、この新型コブラGTロードスターは、そのオリジナルACコブラのスピリットを忠実に継承しながら、最新のテクノロジーとエンジニアリング・プロセスで開発、そして生産される、最先端のマッスルカーと考えることが可能だろう。 見るからに品質感が高く、そして使い勝手の良いGTスポーツカーであることを感じるこのモデルのデザインは、もちろんオリジナルのACコブラからはひとつのパーツも共有せずに実現されたもの。 前後のダイナミックでかつ滑らかなフェンダーアーチに象徴されるエクステリアデザインや、人間工学を大幅に改善することであらゆる体格のドライバーにベストなドライビングポジションを提供するキャビンなど、高いレベルの快適性と洗練されたインテリアデザインが共存しているのが分かる。 基本骨格となるスペースフレームは、イタリアのチェコンプ社との共同開発によるもので、最先端のアルミ押し出し材を使用したもの。それはもちろん非常に軽量で高剛性なもので、「今後は走りとダイナミクスにおけるライバルからのベンチマークとなるだろう」とACカーズは語る。
フォード製V8の搭載にマニアならずとも感涙
ホイールベースの2570mmは、ACコブラMk.VIより284mm長い設定だが、全長は4225mmとわずか110mm延長されたのみ。前後のトレッドも各々拡大され、加えて重量配分や重心位置の見直しを図ったことで、ハンドリング性能を飛躍的に向上させている。 フロントに搭載されるエンジンはフォード製の5リッター版V型8気筒ガソリン。最高出力と最大トルクは、それぞれ663馬力、780Nmというスペックで、このエンジンには6速MT、もしくは10速ATを組み合わせる。車重はACカーズからは1500kg以下と発表されているが、これはやはりイタリアのイコナ・デザイン・グループの手によるカーボンコンポジッドボディなど、美しさとともに軽量化にもストイックなまでの取り組みを見せた結果。 ちなみにこのコブラGTロードスターは公道走行が可能で、そのために世界各国のホモロゲーション規格に適合する最新の安全装備を搭載しているのだから、この車重は十分に魅力的な数字といえるだろう。 さらに装備面でも、電動ウインドウやクライメートコントロール、衛星ナビゲーション/インフォテインメントシステムなどを標準装備。オプションの詳細に関しては正式発表時に改めて明らかにされる予定だという。 0-100km/h加速を3.4秒。最高速では278km/hを実現するというACコブラGTロードスター。レストモッドの影響を受けつつも、クラシックなマッスルカーとして、そしてなによりACの伝統を尊重したブリティッシュロードスターとして、それはじつに魅力的な一台に仕上がっている。 注目の価格は28万5000ポンドから(約4636万円、イギリス現地価格、付加価値税除く)。予約や商談はすでに開始されているとのことだ。