【レクサスLC詳細解説】驚異の走りと美しい見た目を実現するプラットフォーム

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重心位置を低く車体の中心にして旋回性能を向上

LCを皮切りとした次世代のFR系レクサスのために新開発されたのが、GA‐Lとネーミングされた新型プラットフォーム。美しいスタイルを創造するとともに、走りのポテンシャルを飛躍的に引き上げるために、基本に立ち返りつつ細部まで徹底的に見直しが図られ、レクサスのチャレンジを顕示する骨組みとなっている。

新プラットフォームの開発ポイントは4つあり ①慣性諸元をよくすること ②高剛性かつ軽量なこと ③新開発サスペンションによる高い操縦性と乗り心地の両立 ④衝突安全性の高さによる安全性の向上 が挙げられている。

慣性諸元は、クルマの重量物を車両のより中心付近に配置して、重心をより低くし、コーナリングでのクルマの動きをスムースかつ安定させることが目的だ。もともとFRレイアウトでは、前後の重量配分は均等にしやすいものだが、LCでは、フロントタイヤはより前方に配してフロントのオーバーハングを縮小し、エンジンセンターを車軸後方に低く搭載したフロントミッドシップレイアウトを実現している。

これによって重心位置を車両前後方向の中心としてクルマの旋回中心に近づけることでクルマの動きに一体感を持たせているのだ。ヒップポイントは重心高より低くセットされているので、旋回時の身体の揺れも小さくできる。

また、リヤもランフラットタイヤの採用で、スペアタイヤの収納スペースが廃止されて、リヤオーバーハングを縮小することができた。さらに、12Vバッテリーはラゲッジ下にレイアウト。前後重量配分は、LC500が52.5:47.5、LC500hは駆動用バッテリーをリヤに搭載することもあり51.2:48.8だ。

外装パネルやバンパービームには、アルミやCFRP(カーボン繊維強化樹脂)を積極的に使い、軽量化はもちろん、車体の外側の慣性質量の低減にも役立てている。

このような取り組みで、クルマを意のままに動かそうとした際の足かせとなる慣性モーメントを徹底的に減らしている。この効果は、フィギュアスケート選手のアップライトスピンに例えるとわかりやすい。選手の質量は同じでも手を広げたスピンではゆっくり回り、体に近づけると早く回るのと似ていて、質量を重心位置に近づけることが、リニアで切れのある旋回を生む基本諸元として効いてくるのだという。

複数素材を使用し軽量かつ高剛性で安全なボディを作り上げた

ボディは、複数の素材によるマルチマテリアル製で、剛性向上と軽量化はもちろん、スモールオーバーラップ衝突試験のような最新のテストにも対応し、さまざまな方向からの衝突形態においても乗員の生存空間を確保できるよう、安全面の強化もなされている。

キャビンは、ピラーやロッカーパネル、ルーフなどの骨格部材にハイテン材やホットスタンプ材を含む高張力鋼板を使用して、フロアメンバー、ピラー、リヤバンパーなどで荷重を吸収分散させる衝撃吸収構造とすることで、全方位からの衝突安全性を確保している。バンパービームは前述のとおりアルミ製であり、軽量化はもちろん、ボディにつながる支柱をクラッシュカン構造として、衝突エネルギーを効率よく吸収することで、軽い衝突ならボディへダメージが及ばないように配慮されている。

フロントのサスペンションタワーは、トヨタ初のアルミダイキャスト製が採用されており、ボディへの結合はセルフピアッシングリベット工法が採られている。これは、低フード化したデザインで狭小となったスペースでもサスペンションの支持剛性を十分確保するためで、軽量化にもつながる。

アルミダイキャストを採用した理由は形状の自由度が高いためで、放射状に設けた深いリブや各部の肉厚の最適化で十分な剛性を持たせている。セルフピアッシングリベットは、鉄とアルミといった溶接が困難で電触による腐食も問題になる異材質の接合を可能にする工法。上側の素材を貫通し下側は貫通させずに締結でき、接合面に接着剤を挟んで密着させている。

高剛性化では、旧プラットフォーム比2倍のボディ剛性を持たせるとともに、サスペンションの着力点でも2〜3倍の剛性へ大幅に向上させつつ、走行中のボディ変形に対する耐性である「動剛性」を素直にすることに注意を払っている。

これは単にボディの前後をねじったときのスペックだけでなく、「ねじれ特性を均一化」することにも注力している。ねじれ方に変曲点と呼ばれる節や腹があるとハンドリングの不連続感や違和感となるので、街乗りから限界走行時まで、入力に応じたリニアなねじれ方が得られるようにしているのだ。ボディパネルの組み立てでは構造用接着剤の使用部位が車両全体の約6割にも達する。これは約73mにもなるもので、スポット溶接部の点結合から接着による面結合になることで、剛性向上と振動の減衰特性を高め、滑らかな車両の挙動の実現にも貢献している。

軽量化では、内外装にCFRP、アルミ、マグネシウム素材を採用して、低重心化と慣性モーメント低減にもつなげた。ヘッドライトの超小型LEDも、デザインだけでなく、軽量化に役立っている。

低フード化を実現するため独立2モーターワイパーシステムを採用

新素材ではLFAで培った技術を進化させて量産技術とした。ルーフはLFAで開発したRTM(レジントランスファーモールド=樹脂注入成形法)をさらに進化させた「高速RTM」として、製造時間を短縮。

ドアパネルはインナーがCFRP、アウターがアルミ製。インナーにCFRPを採用したのは軽量化のためもあるが、振動抑制に効果のある形状を取り入れオーディオのクオリティにも配慮したものだ。ボルト締結による組み立て式の利点を活かし、サービスホールを廃止してNV性能も向上。

トランクフードはインナーがドアと同様のCFRP、アウターにはG-SMC(グラスファイバー・シートモールディングコンパウンド)と呼ばれる、ガラス繊維で強化した成形複合材料を採用している。

静粛性の向上でも、新プラットフォームでは新しい取り組みが施された。パワートレインからの不快なこもり音の浸入を防ぐため、エンジンマウント位置は振動が伝達しにくい部位に変更している。また、後輪を駆動するディファレンシャルユニットも、駆動力の反力からボディに振動を伝えない部位を検討して新しいものとしている。

さらに、ダッシュパネルやフロアの吸音材では、パネル側の設計と合わせて貫通穴を極力減らすことで透過音を徹底的に抑えた。また、床下は全面に吸音材を配置して、パワートレイン音の放射や外部からの音の浸入も減らしている。

低フード化を実現するため、ワイパーシステムも刷新された。ワイパーアームそれぞれに直結させた独立モーターの反転制御式ワイパーで、従来はひとつのモーターで2本のワイパーを動かすために、ワイパーをつなぐリンクがあったが、このスペースを大幅に減らして、ボンネットの低いデザインを実現。ボンネットは、歩行者への衝突安全のためポップアップ式となっているが、LCではヒンジ部だけでなく前側も跳ね上げる4点ポップアップを採用している。

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