社内で「男前シビック」と呼ばれる新型ホンダ・シビックのデザインを開発陣に直撃!

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シビックは常にチャレンジングなモデルでなければならない

 日本市場では、セダン、ハッチバック、タイプRの3タイプがラインアップされる新型シビック。今回の開発では、3タイプすべてがひとつのデザインチームによってデザインされている。そのすべての基礎ともいえるパッケージングの狙いについて、担当の森下大介さんは次のように語ってくれた。

「世界中のお客さまの喜びを最大化する。そのためにはダントツであることが必要です。たとえば燃費競争で、0.1km/L勝ったからといってもお客さまのハートには響かない。ダントツの領域までチャレンジするのがシビックなんです。基本骨格のデザインについてもそれは同様です。プロポーションはプレミアムセダンの領域までやりきり、街なかでひと目みただけで圧倒的に違いがわかる骨格を作る。その一方でインテリアは、開けた瞬間に『スポーティなクルマなのに、こんなに爽快で使い勝手がいいのか』と驚いていただけるような、ほとんど法外ともいえる高い目標値を設定して取り組みました」

 デザインチームのチャレンジ精神は、あらゆる面で貫かれている。たとえばエクステリアデザインでは、開発初期の5つの候補案に対し、評価委員はプレミアム感の高いセダンの王道的な案を支持していた。しかし、デザインチームは一貫してチャレンジングな案を推していた。侃々諤々の議論が続くなか、流れを決めたのは当時の社長の言葉だった。

「『シビックはチャレンジングなDNAを持っていなければいけないクルマだし、ホンダの中心とも言えるクルマだから、その精神を体現しなければいけない』。そんな言葉に後押しされて、チャレンジングな案を徹底的に磨いていくことができたんです」そう語ってくれるのは、エクステリアデザイン担当の蔦森大介さん。ブラッシュアップが進められたその案は、最終的に満場一致で選択されることになる。

 インテリアデザインについても、こだわりの開発が進められた。担当した千田隆作さんはこう振り返る。 「初期の3つの案からふたつの案に絞って検討を進めたんですが、じつは本来なら、この段階でひとつの案に絞られていなければならなかったんです。実際、評価会では、いったんひとつに絞られていたんですが、われわれデザインチームから、選から漏れたチャレンジングな案を検討に加えて、引き続きブラッシュアップさせてほしいと願い出たんです」

 徹底的にスケジュール管理される現代の新車開発で、こうしたことが行なわれるのは異例中の異例だ。そのために時間を使うことは、その後の設計の検討時間などにも影響が出てしまう。さらに言えば、本当にその案がモノになるのか現時点ではわからない。それでもさまざまな部署が一致団結してデザインチームをリカバリーしたのは、デザイナーたちの熱意が伝わったからに違いない。結果、インテリアについても、デザインチームが推した挑戦的な案が採用されることになる。

 新型シビックの開発では、”OTOKOMAE(男前)”が合言葉に掲げられたが、デザインチームの従来の枠組みを恐れることなく果たした挑戦は、まさに”男前な判断”によって実現できたものと言えるだろう。

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