クルマを揺するとガソリンが多く入るって本当?

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事実だがオススメできる行為ではない

 給油時に車体をゆすれば、燃料タンク上部に溜まった空気が抜けて、もう少しだけガソリンが入る余地が生まれるということは確かにある。しかし、それはおすすめできる行為ではないというのが正直なところ。あまり知られていないことだが、そもそもガソリンタンクは、タンク容量の約90%までしか燃料が入らないように設計されていて、タンクの上部約10%は空気の層になる仕組みになっている。

 理由は、ガソリンは熱で膨張し容積が増えるから。ガソリンは温度が10℃上がると、容積が1.2倍になる性質を持っている。今のクルマは燃料タンク内に燃料ポンプが入っていて、そのポンプの冷却と潤滑にガソリンを利用しているので、これが熱源となって温まる。さらにシステムとしても、燃料は絶えずタンクとエンジンルームを循環するようになっているクルマが多い(リターンシステム)。そのため、設計者は燃料タンクに約10%の空気層のゆとりを、わざと設けるようにしているのだ。こうした仕組みもあって、給油時にクルマを揺らしても、燃料タンク内のエアは大して抜けない……。

 セルフのガソリンスタンドで、給油ノズルを給油口の奥まで入れ給油レバーを握っていると、満タンになると自動的に給油が停止する。このとき勢いよく燃料タンクに注がれたガソリンは、ブリーザーパイプを通って、インレットパイプに戻ってくることもあるが、しばらく間をおいてもう一度給油レバーを握ると、タンク内の液面が落ち着きエアも抜けきって、もう少しだけ燃料が入ることもある。それを1~2回繰り返すというのもひとつの手だが、車体を揺らしてまで、のど元までガソリンを入れるメリットはほとんどない。

 むしろ、吹きこぼしのリスクが増えるだけであり、クルマを揺らす際、ボディの下手な部分を押したりすると、そこが凹む可能性すら考えられる……。ガス欠寸前まで走るのも、上記のように燃料ポンプの冷却・潤滑の面で、空吸い=燃料ポンプの寿命を縮めることにつながるので避けたいが、給油口から溢れるギリギリまで給油しようというのも百害あって一利なし。

 “大喰い選手権”ではないので、インレットパイプまでガソリンで一杯にしても、何の名誉にもならないし、ガソリンスタンドや給油を待っている他のお客さんに対しても、迷惑な存在でしかなくなってしまう。それに、万一、ガソリンを吹きこぼしてしまったら危険でもあるし、ボディの塗装も傷めるし、もったいないし、後始末も大変。

 というわけで、給油機が自動で止まるところ=満タンと認識し、自動で給油レバーが戻ったら、そこで給油を終わりにし、給油キャップを正しく締めて、料金を精算。速やかに立ち去ったほうが賢明だ。

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