【試乗】見た目・機能・走り! 新型スズキ・スペーシアは本気で買いの進化を遂げた

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室内の完成度に走る前からワクワクが止まらない

 小さく買って大きく使う。そんな言葉がもっとも似合いそうなスズキ・スペーシアがモデルチェンジを行った。スペーシアはこれまでもスズキの軽自動車のなかで最大のスペースを持つスーパーハイト(背の高い)系のモデル。新型では新プラットフォームの採用によってボディ&室内スペースが全高で50㎜、ホイールベースが35㎜拡がり前後席の居住性が向上している。

 それだけでなく、軽自動車の限られた空間をより快適で便利に、そしてより安全に楽しく付き合えそうな機能やデザインを採用し新しさと実用性を高めた印象がある。

 まず“より快適で便利に”という点では、細かい機能のアレコレが日常使いの利便性を向上させているのは間違いなし。たとえば低床フロアを採用するスペーシアの乗降性の良さはそのままに、車体の全高が50㎜高くなった分、前後席の着座位置を前席で+30㎜、後席で+15㎜上げている。そこで、とくに運転席はフロントウインドウまわりのデザイン効果も含め、見晴らし良好度がアップ。その分大型のサンバイザーを新採用してくれている点も嬉しい。

 スライドドアの開口幅もタテ/ヨコともに拡がり、パワースライドドアは一時停止機能も付く。それに乗降時のステップ段差を減らし、Bピラーに乗降グリップを取り付け、小さな子供やお年寄りの乗り降りがよりしやすくなっている。ラゲッジも先代に比べフロア高が低くなっているので、大きかったり重たい荷物の積み下ろしも楽になるはず。しかもスライド式の後席は荷室側からもスライド調整ができるのも便利。

 エアコンの使い方にも「なるほど」と思える新装備があった。その1つがスズキ初採用という“スリムサーキュレーター”。これはフロントから送られる暖気や冷気を、天井に最適配置されたサーキュレーター(ファン)と手動フラップの角度調整で後席にまで循環させるアイディア。天井の高い家にプロペラファンが取り付けられているようなイメージで、天井の高いスペーシアにとっても効率よく前後席の快適温度を保つことができる機能と言えそう。

 “より楽しく”と申し上げたのは、先代と比べてもデザイン性が感じられるというのも新型の魅力だ。“スーツケース”をデザインモチーフに採用した新型スペーシアは、外観のシンプルなカタチが収納力と使いやすそうなイメージを想像しやすく、また室内では助手席のアッパー収納ボックスにまるで小さなスーツケースと思わせるデザインが採用されている。とくにベースモデルのスペーシアのほうがよりデザインモチーフが活かされている印象で、統一感のあるデザインが一層楽しく魅力的に見える。

 助手席のアッパーボックスは単純に取ってつけたようにあるワケではなく、室内幅を視覚的に広く見せる横基調のデザインを引き立てるように活かされ、ボックスの下には引き出し式のドリンクホルダーやティッシュボックスも納まる収納があったりと、機能性とデザインが素敵に融合していた。

 これも細かいことだけど、シンプルで見やすいアナログメーター(一部デジタル表示もある)の雰囲気や、軽自動車では初採用となるフロントガラス投影式のヘッドアップディスプレイの情報の表示内容はもちろん、フォントやカラーの色味も含めて質感も申し分ない。インテリア全体のクオリティの統一感も心地よく、軽自動車であることを忘れるほどに楽しめると思う。

 小さく買って大きく“使う”、という言葉が頭に浮かぶだけあって、新型スペーシアはドアを開けたり、フタを開けてみたくなるワクワク感が先に立って、なかなか走り出せないでいた(苦笑)。でも新しさの魅力は当然ながらドライブフィールにもある。

 新型スペーシアには全車にマイルドハイブリッドを搭載。ベースモデルはNAエンジン+CVT、またカスタムにはターボエンジンが組み合わされ、2WDと4WDがラインアップされている。

 走行性能の進化には新プロットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」と新軽量衝撃吸収ボディの「TECT」の軽量化を進めつつも、ボディ剛性を高めた車体づくりの効果はとても大きい。着座位置も上がりシート高調整も可能な運転席からの視界も気持ち良いくらいに、良い。

 そして搭載エンジンに関わらず乗り出していきなり、駐車場から車道へと進む間からボディの塊感に安心感を、また車道と歩道にある段差を通過したときからドッシリとした重厚さを感じ、さらに足もとの突き上げ感の極めて少ない乗り心地に快適な走りへの期待が高まったほどだ。

 さまざまなパワートレインを持つスズキがスペーシアに選んだマイルドハイブリッドには2種類のモーターを採用し、快適な走りと低燃費をさりげなく電動化技術で補っている点がやっぱりいい。

 さらに新型スペーシアはISGのモーターアシストトルクの利点を発進や加速に活かすだけでなく、走行シーンによって加速力を「もうひと声!」的なシーンで使える“パワーモード”(ステアリング上にスイッチがある)が新機能として備わる。そのトルク、劇的にとまでは言わないまでも坂道や高速道路などでとくにアクセルの踏み込み量はキープしつつスイッチを押してみると、モータートルクを使って「グンっ!」と出足が良くなるため、頼もしさが感じられるはず。

カスタムだけじゃなくベース車でもターボが選べれば……

 スペーシアカスタムは力強い走りには常用コンパクトモデルに劣らぬ頼もしさが感じられる。加速から一定走行への繋がりもとてもスムースで、その際の静粛性も向上している。

 サスペンションもターボエンジンが組み合わされるカスタムにはカスタム専用のチューニングを施し、さらに15インチタイヤを装着するモデル(標準車14インチ)はカッチリと硬い印象がある。が、コツコツとした突き上げは少なく、後席の乗り心地に悪影響はない。

 ステアリングはベースモデルに比べ少し重めで、ボディ剛性の上がったボディをより“この手で操っている”感覚も強くなる。

 それに対し、ベースモデルは過不足のないトルクと軽くて滑らか系の走りが、主に日常の快適な移動に適しているという印象。ベースモデルのほうがエンジンのトルクが小さい分、マイルドハイブリッドのモータートルクアシストの恩恵がより心強く感じられる気がした。

 じつは私が駅まで歩く路地に緩やかな坂道と一時停止があるのだけれど、宅配の軽のワンボックスのブーンという加速が正直気になっている。スペーシアのようなステキなデザインのクルマは歩行者にもスマートな印象を与えたい。そしてこのクルマはきっとそんなシーンでも期待に応えてくれるのではないかしら……と思う。

 後席の乗り心地も静粛性も先代よりも向上しているが、ロードノイズ系はベース車/カスタムともに、より静かになったらいいと思わなくもない。クルマ全体の質が上がればこその欲が出る。

 それにスズキの軽自動車のなかでもっとも広大なスペースを持つスペーシアなだけに、より力強い動力を発揮するターボエンジン+マイルドハイブリッドの組み合わせがカスタムだけでなく、ベースグレードでも選べるようになるといいと思う。軽自動車でもこのスペースとターボ+マイルドハイブリッドの走りなら、これ1台で十分と言える実用性が感じられる。ホンダのステップワゴンでも人気のあるスパーダでのみハイブリッドモデルが選べるところを鑑みると、メーカーの合理性にちょっと複雑な気分を覚えてしまうのだった。

 最後に“より安全に”について。最新モデルらしく、“スズキ セーフティ サポート”と呼ぶスズキの安全技術もますます充実している。経産省や国交省が普及推進する“セーフティ・サポートカー”(略称:サポカー)のもっとも安全技術が充実しているモデルの“サポカーSワイド”に該当。

 また、目線移動を減らす効果のあるウインドウディスプレイの認識のしやすさに加え、360度3Dビュー(メーカーオプション「全方位モニター用カメラパッケージ装着車」)が映し出すモニター画像による安全確認も安心感を高めてくれる。

 クルマの周囲が3Dにより立体的に把握できるのもいい。上から車の周囲を見下ろすことも可能。これで駐車時やすれ違い、見通しの悪いところで人などが接近した場合のお知らせも含め、前後左右の視界サポート機能が追加されたことになる。

 スズキのもっとも大きなスペースを持つ軽自動車の進化はこの360度3Dビューのように、どこから見てもその最新ぶりを便利で快適に、そして楽しく感じられるモデルになったと言っても、言い過ぎではない。

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