発売から30年経った今でも「初代ロードスター」が愛され続ける理由とは

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その後4世代が登場するも初代は別格の愛され方

 2016年に累計生産台数100万台突破して、ギネスブックにも「世界でもっとも多く生産された2人乗り小型オープンスポーツカー」と認定されているマツダのロードスター。その100万台を超えるロードスターのうち、約半数の43万台は初代ロードスター=ユーノスロードスター(NA型)で、デビューから30年経った現在でも、日本で2万2770台(2017年時点)が登録されており、現役として生き残っている。

 普通乗用車は、新車登録から平均で12.3年で廃車(登録抹消)されることを考えても、NAロードスターの愛され方は、類を見ないものがある。これだけNAロードスターが愛されているのは、誰もが乗って楽しく、気持ちの良いクルマに仕上がっているからに他ならない。

 ロードスターは、デビューしたときから速さは決してウリにしていない。スペックは極めて平凡。エンジンはファミリアからの流用、ボディ剛性も大したことはないし、内装もビニールを多用したりと、パッとしない……。

 しかし車体が980kgと軽く、FRで重量バランスがいいのでとにかく軽快。つまりパーツ類は使いまわしでも(その分安価! これも重要)、レイアウトとパッケージは圧倒的に秀逸だということ。これが何よりスポーツカーの命。逆にいえば、ここさえ押さえておけば、不朽のスポーツカーになり得るわけだ。もうひとつは何といってもスタイリング。スポーツカーは非日常的で、それが魅力にもなっている。

 しかし、ただカッコいいだけだと、あこがれの反面、妬みや偏見も生じやすい。そこでNAロードスターでは、日本の伝統文化の能面の「小面」をモチーフに、親しみやすさとどこか愛嬌のある「顔」を作り、一度乗るとずっと手元においておきたい気持ちにさせる、飽きのこないデザインを採用した点も非常に大きい。

 ライト類も非常に大きな特徴で、ヘッドライトは丸目2灯式のリトラクタブルライト。テールランプは、江戸時代の両替商が使った分銅の形からデザインしたリヤコンビネーションランプで、ニューヨーク近代美術館 (MoMA) に展示・永久収蔵されたほど評価が高い。その他、ドアハンドルなど和物のテイストのデザインを多く取り入れているところも、日本のクルマ好きの琴線に触れる部分だといえる。

 このように、NAロードスターは、既存の部品の寄せ集めでも、作り手の哲学とコンセプトがしっかりしていて、それを色濃く反映させたレイアウトやパッケージがあれば、愛されるスポーツカーを作ることができると証明した一台で。これぞ本物のスポーツカーの文法通りの、スポーツカーのマインドを持ったクルマなので、この先もずっと人気が衰えることはないだろう。

 ただ、30年前も現在も、NAロードスターのような、ホンモノのスポーツカーの哲学を持ったクルマを作るのは大変なことで、その証拠にロードスターのライバルといえるようなクルマは、この30年間誕生していない……。

 ゆえに、そうした困難を乗り越えたロードスターというクルマの半分は、パッションでできているという人もいるほどだ。半年前にはじまった、マツダのNAロードスターのレストアサービスも、まさにそんなパッ ションの現れ。ユーザーがクルマを愛し、メーカーもその愛に応える。こうした成熟した自動車文化の理想形にも、NAロードスターは先鞭をつけた歴史的な一台として記憶されていくだろう。

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