高速の2車線区間の路肩・中央分離帯を削り3車線化する道路が急増しているワケ

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東名で暫定的に実施した結果渋滞が90%以上も解消した!

 高速道路は本来、高い速度を保ったまま安全に走行が可能な道路。そのため、「道路構造令」で車線や路肩、中央分離帯の幅などが定められており、それに則って造られている。 が、交通量が増えて容量を超えると、サグ(下り坂から上り坂に切り替わる地点)での速度低下などをきっかけに、恒常的な渋滞が発生する。渋滞しちまったら高い速度を保つもクソもなく、道路構造令もヘチマもなくなってしまう。 かつて道路構造令は絶対で、それを逸脱するなど考えられなかったが、道路構造令を守る限り、車線数を増やすには道路幅を広げる以外にない。それには長い期間と多額の費用を要し、おいそれとは実行できない。ぶっちゃけ、計画から実現まで20年はかかると思っていい。 そこで登場したのが、「暫定拡幅」という手法だ。 最初に導入されたのは、東名高速の岡崎インター付近。ここは東海地区でもっとも交通量の多い区間で、恒常的な自然渋滞が発生していた。その対策として、7年前(2011年)、道路幅を変えず、暫定的に2車線から3車線にする試みが行われた。区間延長は上り線が21km、下り線が15kmだった。 手法は、路肩と中央分離帯を削り、1車線の幅を3.6mから3.25mに狭めることで、もう1車線をひねり出すというもの。道路構造令からは逸脱するが、並行する新東名が開通するまでの暫定措置としての英断だった。路肩幅はわずか0.75mとなるため、安全対策として400mごとに非常駐車帯を新設、制限速度は100km/hから60km/hに引き下げられた。 効果は絶大だった。それまでの片側2車線時に比べると、渋滞量は94%減! つまりほとんど渋滞しなくなった。路肩がほぼなくなり、走行時の圧迫感は増したが、事故も3割以上減った。これは、渋滞がほぼ消滅したことで、渋滞中の追突事故が激減したせいだ。

この成功例をもとにほかの路線でも採用され始めている

 この暫定拡幅は、新東名の開通に伴って解消され、現在は元の片側2車線に戻っているが、この成功が良き前例となり、即効性のある渋滞対策として、多くの個所で実施されつつある。 典型的なのは、東名阪道上り線の鈴鹿-四日市間(8km)で、ここは並行する新名神開通までの暫定措置として、同様の3車線運用がなされている。首都圏では、京葉道路の穴川-貝塚間が代表例だ。京葉道路は、下り線の船橋-武石間10kmも同様の拡幅工事を実施中。京葉道路では「暫定」の文字が取れ、恒久的な付加車線として3車線化している。 また、東名の海老名―横浜町田間にある大和トンネル付近でも、2020年度東京オリンピックまでの完成目指して、3車線から4車線に増やす工事を実施中だ。大和トンネルのみ、もともと路肩幅が狭いため、トンネルそのものを拡幅して車線数を増やす。 車線数を増やすのは、もっとも根本的な渋滞対策だ。1車線の幅を狭くすると圧迫感は増すが、渋滞するよりははるかにマシ。制限速度は下げられるが、それも渋滞のノロノロよりははるかにマシ。道路構造令の「特例」を生かしての弾力的な運用は、ドライバーとして大歓迎である。 ただ、中央道上りの調布から三鷹料金所付近までの3車線化は、区間が中途半場なため、わずかな効果にとどまっている。

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