なぜ隠す? クルマのボンネットを開けても本体が見えないほど覆うエンジンカバーが増えているワケ

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単なる飾りではなく静粛性など役割は多い

 最近の新型車では、ボンネットを開けてもエンジンを直接見ることができるクルマは減っている。さすがに軽自動車ではエンジン本体が見えることが多いが、リッターカーから上のクラスになるとエンジンカバーを備えているクルマが増えてくる。いまやエンジンカバーは欠かせない装備だ。はたして、エンジンカバーを装着している意味や狙いは、どのようなものがあるのだろうか? エンジンの上に樹脂製のカバーを付ける狙いはいくつかあるが、もっとも効果がわかりやすいのはエンジン由来のノイズが室内に侵入するのを防ぐことだ。静粛性アップの機能を与えられているエンジンカバーは多い。実際、エンジンカバーを外すだけでノイズがグッと大きくなって耳に届くことは誰でも確認できるだろう。とくに直噴エンジンでは高周波のノイズが出やすく、燃料系にも吸音材を巻くなど対策しているが、エンジンカバーによるノイズ低減効果は無視できないといえる。アイドリングストップからの再始動などエンジンからのノイズが発生しやすいのも昨今の特徴だ。ノイズを抑えるためにエンジンカバーの裏面に静音効果のある部品が取り付けられていることもある。

エンジン本体に触れてほしくないという意味合いも

 また、最近のクルマにおいて重要なのが歩行者保護性能。万が一の人身事故において歩行者の頭がボンネットに当たったときに攻撃性を抑えるよう、ボンネットとエンジンまでのすき間を大きくするなど厳しい基準が求められている。樹脂製のエンジンカバーで金属部品など攻撃性の大きいパーツを覆うことは、歩行者保護性能のアップにもつながっている。樹脂製のエンジンカバーを変形させることで、衝撃吸収効果が期待できるのだ。さらに、エンジンの暖機を促すための保温効果を狙ってエンジンカバーを設計しているメーカーもある。 静音や安全性であれば意匠にこだわる必要もないだろうが、多くのエンジンカバーには色が指されていたり、メーカーのエンブレムが付いていたりしている。こうした見栄えというのもエンジンカバーに求められている要素だ。最近のエンジンでは軽量化や生産性などからカムカバーやインテークなどを樹脂で作っていることが増えている。さらにセンサー類が多量についている。そのためエンジンカバーを外すと、まるで樹脂の塊のように見えるエンジンも珍しくない。 機能的には正しい進化だとわかっていても、樹脂部品ばかりが見えるのはエンジンらしくないと感じるドライバーもいるだろう。そうしたこともありエンジンカバーで全面を覆うことで、実際のメカニズムが見えないようにしているクルマが増えているという面も否めない。逆にいうと、ユーザーに対して隠すことで無闇に触ってほしくないという意思表示といえるだろう。

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