東京モーターショーは世界からみれば異色! クルマを売ってはいけないオートショーに未来はない

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1台でも多くクルマを売るためセールスマンが大量投入される

 GIIAS(ガイキンド・インドネシア国際モーターショー)2019は7月18日から行われた。18日はプレスデーおよびVIP招待日となり、一般公開初日は19日。毎度のことだが、1日では会場内をくまなく見ることはできないので、19日の一般公開日もカメラ片手に会場をまわることにしている。完成車メーカーブースでは、プレスデー向けと一般公開日向けで展示車などディスプレイ変更が行われることもあるので、それもチェックすることにしている。 19日は一般来場者の入場開始は午前10時からなのだが、プレスは早めに会場入りできるので、各ブースの展示車のカバーが取り払われる9時ぐらいに会場入りすると、展示車の撮影もスムースに進む。そのため筆者も午前9時に会場入りしていると、完成車展示ブースのいくつかから、気合を入れるような声がしてきた。 GIIASは完全なトレードショーなので、とくにブース面積の大きい日系メーカーブースでは、広大な商談スペースが設けられている。ローンでの購入がほとんどとなるので、信販会社も出張窓口を構え、その場で与信審査ができるようにもなっている。つまり、大声で気合を入れていたのは、各メーカー系ディーラーのセールスマンのみなさんであった。その数はハンパではなく、10時の会場とともに、会場内のコンコースに沿って各セールスマンが立ち並ぶのだが、ブース内に入れないぐらいのセールスマンが立っているところもある。 東京モーターショーだけ見ていれば意外に感じるひともいるかもしれないが、オートショーというのは新車販売促進を前提としたトレードショーであって、会場にくるひとも新車を買いにくる目的のひとが多い。アメリカあたりでは会場周辺地域のディーラーが、“オートショー特価セール”みたいなものを会期中に合わせて展開するのはお約束。新興国では“オートショー特別値引き”というものを、会場で契約したひと向けに設定することも多い。 かつての東京モーターショーでも、外貨持ち出し規制の厳しかったころは輸入車の展示即売は当たり前だったし、日本車でも会場でセールスマンがブースに配置され、商談コーナーも充実しているのが当たり前だった。だが、いつしか“新車を売るまたは販売促進活動が事実上禁止”という世界でも類を見ない、“変わったオートショー”となってしまったのである。

来場者数を増やすには日本も新車を売るべきだ

 バンコクモーターショーでは主催者サイドが会期中の新車販売台数を強く意識したり、中国では展示ブースにどれだけ契約したかを記す掲示板を掲げるメーカーも珍しくない。GIIASでは、車両紹介しているリーフレットや価格表はセールスマンが持っており、インフォメーションカウンターではまずもらうことができない。つまりクルマについて何か知りたければ、会場のセールスマンとコンタクトしなければならないのである。実際商談コーナーへ行くと、熱心に商談している風景を見ることができる。 セールスマンしかいないオートショーもやや抵抗があるが、セールスマンがいないオートショーというのも、何が目的で開催しているのかわからない異様なオートショーに見える。 今年の東京モーターショーはまさに“グダグダ”という表現がよく似合うものとなっている。会場となる東京ビッグサイトの一部が来年の東京オリンピックのプレスセンターに使われるとのことで、別会場を設ける“分散開催”となるなか、海外ブランドがほぼ参加しないという、およそ国際格式モーターショーとはいえないものとなっている。 合理的な欧米人から見れば、“新車を売ってはいけないトレードショー”などはおよそ理解できない。前述したような“オートショー特別値引き”のような来場メリットがなければ、いまやクルマへの興味が薄れる一方なのだから、来場者が先細りするのも当たり前。となれば、海外ブランドが「それじゃ出なくてもいいか」となるのは自然の流れ。もっとも、もはや東京モーターショー会場で日本メーカーから得るべき新技術情報はほぼないというのも、海外ブランドが躊躇なく出展を控える背景にあるとも聞くが……。 バブル経済のころのような、クルマ自体に多くのひとが興味を持ち、モーターショー会場を訪れることは今後期待できない。となれば来場するメリットというものを充実させることが必要だろう。 チャットなどを通じて商談をすることで、新車購入商談などのためにディーラーを訪れる必要がなくなってきたアメリカでは、そのような買い方をより好む、若いひとが購入候補の“あたり”をつけるためにショー会場を訪れることが目立ってきているとのこと。ただそのようなニーズを満たすには、可能な限り市販車を多く会場に展示することが必要となるが、東京モーターショーはとにかく市販車展示も少なめなのが目立つ。 出展をやめた海外ブランドが回帰する可能性は極めて低い。となれば空いたスペースで、軽自動車、登録車を問わず登録済み(届け出済み)未使用中古車の展示即売会を行うなど、抜本的な部分にまで踏み込んだショーのあり方を再検討するか、“勇気ある撤退”ではないが、東京モーターショー自体の開催終了なども考える時期にきているのではないかと考える。

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