クルマは不可能と思われていた領域を達成! 「限界値」を突破したイマドキの「超高効率エンジン」と燃費の進化

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より実情に即した燃費をカタログに表記されるようになった

 クルマを購入する際、多くの人が気にする性能のひとつが「燃費」だろう。かつては、性能のためには燃費が悪い(ガス食い)のもいたしかたなし、と割り切る風潮もあったが、最近は高性能ながら燃費性能にも優れるモデルがかなり増えてきた。こうした流れは、自動車工学の進歩のひと言で済ませることもできるが、ここはひとつ原点に帰って、燃費にかかわる要素を見直してみることにしよう。 まず、気になるのがカタログ表記の燃費である。かつては10モード燃費、そこから10:15モード燃費となり、さらにJC08モード燃費、そして最近はWLTCモード燃費へと、測定基準(項目)が変化してきている。簡単に言ってしまえば、良好な数値を示すための燃費表記(一種の理想燃費)ではなく、より実用燃費に近い走行モードでの計測方法に段階を踏んで変わってきたものである。 もっとも新しいWLTC(Worldwide harmonized Light duty driving Test Cycle)モード燃費は、全体としてのWLTC燃費のほかに、市街地(WLTC-L),郊外地(WLTC-M)、高速道路(WLTC-H)の項目別燃費もあり、より実情に即した燃費表記となっている。 WLTC燃費となり、より実走行燃費に近い数値が表記されるようになったわけだが、それでも車両オーナーが実際に走らせた燃費と若干のズレが生じていることはやむを得ないだろう。また、燃費性能を重視した車両選択をするのであれば、電気モーターを補助動力として使うHV方式が有利なこと言うまでもない。 もっとも、ひと口にHV方式とはいっても、電気モーターによるアシストがどの走行領域で行われるかによって燃費性能は異なってくるし、主動力となる内燃機関の特性、性能によっても燃費性能は変わってくるため注意が必要だ。

環境性能を高めるためにも熱効率の改善が求められた

 さて、現状、内燃機関でもっとも燃費に大きな影響をおよぼす要素は、熱効率と考えてよいだろう。燃料をシリンダー内で燃焼し、発生した熱エネルギーのうちの何%を仕事に振り向けられるか、という割合が熱効率である。 効率を表す数値なので、0%から100%の間にあるわけだが、正確には0%(仕事量0)と100%(発生した熱エネルギーすべてが仕事に変換される)はあり得ず、実際には1〜99%の間にあることになるが、現実的にガソリンエンジンの熱効率は、長らく32〜33(%)前後と言われ続け、つい最近までこう考えられていた。 しかし、環境性能の向上が求められ、HV方式が実用化されるようになると、熱効率の改善が大きなテーマとなってきた。一定の供給燃料から、どれだけ無駄なく燃焼することができるか(燃焼効率の改善)、発生した熱エネルギーをどれだけ仕事量に変えることができるか(熱効率の改善)がエンジン開発のポイントとなり、結果的に、熱効率が向上すればそれだけ燃費性能に優れることを意味するようになっていた。 設計の新しいエンジンは、とくに熱効率の向上を意図したものが多く、10年前には33前後だった熱効率が、最新のものでは40台前半にまで引き上げられ、近々50近い数値も達成可能と見られるようになってきた。 ただ、動力源として使う内燃機関の場合は、600〜700回転前後のアイドリング領域から6000〜7000回転の最高回転数域まで使用回転域の幅が広く、回転全域で最大の熱効率を得ることは事実上不可能である。しかし、内燃機関を発電機のみとして使うHVの場合には、機関回転数を効率に優れたあるゾーンに絞り込むことができ、熱効率の改善をより効果的に行うことが可能となる。 さて、一般に知られるところでは、熱効率向上に対する取り組みは、HVの性能向上に腐心していたトヨタが一歩リードする状況にあった。じつは、このことに大きく貢献したのがHV方式によるル・マン・プロトカーで、TS030(2012年)からTS050(2020年)にいたる開発過程で大きな向上を見せ、HVながら搭載するエンジンは、単体のレーシングエンジンとして見た場合にも、最高水準のエンジンと評価できる性能を備えていた。 現代のHVプロトは燃料供給に関する規定が厳しく、少ない総量、時間当たりの使用燃料量(瞬間流量も含め)などが制限され、こうした状況下で有利に戦うため、熱効率を上げることは大きなカギとなっていたのだ。そして、ここで得られた理論、技術を市販車のエンジン設計にフィードバックしていたのである。エンジン排気量が同じなら、熱効率に優れるエンジンのほうが出力性能で優れ、出力値を同じ設定にするならより省燃費エンジンになる、という関係である。 また、走行燃費は、エンジンそのものの性能だけでなく、駆動系、走行系で発生する機械損失も大きな影響力を持っている。当然ながら、こうしたあたりも日進月歩の進化を見せ、現代の自動車はひと昔前では考えられないレベルの性能を有している。ゼロエミッションを目指し、2030年ごろにはEVが主流となる見通しだが、こうした意味では、現代の自動車は、熟成された究極の内燃機関を持つ乗り物と言うことができるかもしれない。

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