スポーツモデルの標準や純正OP設定のシートが「レカロだらけ」な理由

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この記事をまとめると

■「レカロ」には100年以上の歴史がある■モータースポーツ分野以外にも医療用シートなども取り扱うシートメーカーである■圧倒的ネームバリューによって世界中で愛されている

そもそもレカロって何が凄くてここまでメジャーなの?

 自動車用のスポーツシートといえば、RECARO(レカロ)が圧倒的な人気とシェアを誇っている。だがリプレイス品としての自動車用シートをリリースしているブランドは、何もレカロだけではない。SPARCO(スパルコ)もあればBRIDE(ブリッド)もあり、ほかにもいくつかの、ややマイナーなブランドが存在している。 にもかかわらず、世の中はなぜ「レカロのほぼ一択」と言える状況になっているのか? その理由は――当然ながら――レカロ社が作る各種シートの品質および思想が優れており、その生産態勢も万全だから――というのがまず第一にガツンとある。だがそれに加えて「売れているから売れている」という、世の中の各所でしばしば見られる正のループに入っていることも、レカロ製シートが圧倒的なまでのシェアを実現している理由のひとつなのだ。 その「売れているから売れている」という現象を説明する前に、レカロ社の歴史をちらりと振り返っておこう。 レカロの創業は1906年。当時32歳だった馬車製造職人ヴィルヘルム・ロイターが、ドイツのシュトゥットガルトで馬車製造社「ロイター」を創業し、1910年には「ロイター・シュトゥットガルト車体製造会社」へと商号を変更。高級自動車の車体を製造するコーチビルダーへ業態を変更した。 ロイター社はヨーロッパのあらゆる自動車メーカーから車体と内装の量産を受注するに至り、フォルクスワーゲン タイプ1やポルシェ 356のプロトタイプ製造や量産も受注していたと、レカロ株式会社の公式サイトにはある。 第二次世界大戦後、自動車メーカーがエンジンから車体までを一貫生産するスタイルが主流になると、ロイター・シュトゥットガルト製造会社は車体と内装を製造してきた拠点の一部と従業員を、ポルシェ社に譲渡。自身は世界初の「シート専門メーカー」になるという決断を下した。 こうして1963年に生まれたのが、Reutter Carrosserie-Werkeの頭文字を取った「RECARO」だった。 同年のフランクフルトモーターショーでは、ポルシェ社が発表した「ポルシェ901」のシートを開発し、1965年には「RECARO」の名が刻まれたスポーツシートの販売も開始。 その後も「リクライニング機能を持つシート」「ヘッドレストやサイドサポートを持つシート」など、自動車用シートの新たな道筋を世界に示し、1970年代には運転中の身体にかかる負担を軽減するメディカルシート「オルソペド」を開発した。 そして高級車から大衆車へと自動車のトレンドが大きく変化していくなか、レカロは「見た目」だけではなく、快適性や安全性といった「機能性」こそを重視するシート専業メーカーへと変わっていった。「運転中の身体をどのように支えるか?」「身体にかかる負担をどのように軽減できるか?」といった、要するに「デザインは常に機能の追求から生まれる」という哲学こそが、レカロを世界一のシートメーカーたらしめたのだ。 そして我々は今、そういった初期レカロシートの末裔であると同時に最新バージョンでもある自動車シートを、リプレイス品または純正装着シートとして使用しているのである。 ……以上は、レカロ株式会社の公式サイトに載っていた文章を再構成したものであるが(つまり筆者が取材したものではなく、コタツの上でまとめた文章だが)、筆者も以前、レカロの「SR3」を装着したBMW 3シリーズに乗っていた時期はある。 そして確かにそれは、多くの人が言うように「骨盤が立つ感じ」の座り心地で、座面はやや硬めであるにもかかわらず、かなりの距離を1日で走破しても「尻や腰が疲れたな」とはまったく感じさせないシートであった。「これがRECAROマジックってやつか……」と、プチ感動したものだ。

では、「レカロ一択」となっているその理由は何故なのか?

 で、本稿の主題である「世の中はなぜ『レカロのほぼ一択』と言える状況になっているのか?」である。 それは冒頭付近でも申し上げたとおり、レカロ社が作る各種シートの品質および設計思想が優れており、その生産態勢も万全だからというのがまず第一にある。だが、それに加えて「レカロ以外のブランドを推すインセンティブが、自動車メーカーにも販売店にもあまりないから」という理由もあるのだ。 たとえば、もしも自分がどこかの自動車メーカーの商品企画担当社員だったとして、「なんとか1600GT」とかいう車種の特別仕様車を企画すると仮定する。さらに、その特別仕様車には通常のシートではなく、いわゆる社外品のスポーツシートを装着するものと仮定する。 その際、たとえばレカロではなく「スパルコ」を選んでもいいし、きめ細かな作りで定評ある日本のブランド「BRIDE(ブリッド)」を選択することも、理屈の上では可能だ。スパルコもブリッドも品質には何ら問題はなく、むしろ素晴らしいのだから。 それでも、私という社員は「レカロ」を選ぶだろう。 なぜならば、「そのほうが売れるから」だ。 ブリッドを付けたからといって100の予想売上が50になってしまうことはないだろう。だが、ネームバリューの関係で「99」になる可能性はある。たかが1だが、ビジネスマンにとって「1の違い」は重要である。 1の売上を減じさせるリスクを回避するために、あるいは1の売上を確実に死守するため、私という社員は特別仕様車に「BRIDE」ではなく「RECARO」を載っけるのだ。 これは、筆者が自動車メーカーの社員ではなく「カー用品店のシート売り場担当社員」だったとしても同じである。 確実な売上をより確実なものとするために、もちろんスパルコもブリッドも置くし、なんならその他の微妙なブランドのシートも売り場に置くが、やはり「RECARO」の品揃えと売り場面積こそを最重要視するはずだ。 つまり、「世の中では一度圧倒的に勝つと、その後も何かと勝ちやすくなる」という話である。 もちろん、レカロ社の製品には「圧倒的に勝つ」だけの理由と要素の積み重ねがあり、それを継続しているからこそ圧倒的に勝っているのだということは、もちろんわざわざ言うまでもない。 ただ、業界を問わず「売れているから売れている」という現象がひんぱんに起こるのも、世の中の身も蓋もない事実ではあるのだ。

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