衝撃のオラオラ顔に変身していた! 三菱ミラージュの「現在の姿」を知っていますか?
この記事をまとめると
■三菱ミラージュの現行型は2012年に登場■2020年のMCでダイナミックシールドを採用している■最新モデルについて詳しく解説するとともに、歴代モデルを振り返る
現行型ミラージュはタイで生産されている
三菱のエントリーモデルといえば何を思い浮かべるだろうか。eKワゴンがいの一番に挙がるかもしれないが、Aセグメントの「ミラージュ」も思い出してほしい。といっても、2021年上半期での販売台数でいっても1200台程度であり、その存在感は薄れている。忘れてしまったという人がいても致し方ないかもしれない。 現行型ミラージュの日本での発売は2012年8月、タイで生産されるグローバルモデルのコンパクトカー(Aセグメント)として日本に輸入・販売された。当初のパワートレインは3気筒1.0リッターエンジンとCVTという組み合わせで、文字どおりのリッターカーであった。 その後、1.2リッターエンジンを設定してパフォーマンスを向上。初期モデルでは燃費重視のシャシーで、スタビライザーが未装着だったこともあってプアな走りを感じる面もあったが、1.2リッターエンジンの搭載に合わせて、タイヤもポテンザを履かせるなどしてキビキビと走るコンパクトカーとして進化していった。 現在の姿になったのは、2020年4月。このときのマイナーチェンジで三菱のアイデンティティとなる「ダイナミックシールド」フェイスを与えられている。ラインアップはベースグレードといえるMとLEDヘッドライトなど装備を充実させたG。メーカー希望小売価格は、Mグレードが1,432,200円、Gグレードが1,569,700円となっている。 ところで、久しぶりにミラージュという名前を目にしたという人からすると、いまのミラージュは3気筒エンジンのAセグメントカーというのは驚きかもしれない。かつてミラージュといえば、ホンダ・シビックのライバルだったこともあるからだ。 シビックが北米市場のニーズに合わせて成長したのに対して、ミラージュはグローバル市場をにらんでダウンサイジングしたことで、真反対ともいえる進化を遂げている。 あらためてミラージュの歴史を振り返ると、初代モデルの誕生は1978年。1.2~1.6リッターエンジンを設定したFF車で、ボディ形状はハッチバックを基本に4ドアセダンも用意するというものだった。 副変速機付きの4速MT「スーパーシフト」が特徴で、8段MTとして活用することで速さを引き出すことがミラージュ・オーナーの自慢だった。
ホンダ・シビックとガチンコ勝負!
2代目へのフルモデルチェンジは1983年に実施されたが、自動車ファンの印象に残っているのは1987年に生まれた3代目ミラージュだろう。アニキ分であるランサー系のプラットフォームを使用することでベースの実力をアップした3代目ミラージュには「4G61」1.6リッターDOHCターボエンジンが設定され、後期型では160馬力を発生。ちょうどシビック系にホンダとして久しぶりのDOHCエンジン「ZC」が搭載されたタイミングと相まって、ストリートでのライバルとして見られたものだ。 1991年にフルモデルチェンジした4代目ミラージュは、シビックとガチンコの勝負に挑む。このモデルでは自然吸気かつ可変バルブリフト機構「MIVEC(マイベック)」を備えた1.6リッターエンジン「4G92」の設定がトピックスで、まさにホンダのVTECエンジン「B16A」のライバルとして、ストリートやモータースポーツで火花を散らしたことは記憶に残る。 そんなホットハッチとしての側面だけでなく、ミラージュはラグジュアリーな小さな高級車というキャラクターも持っていた。その象徴といえるのが同じく4代目ミラージュに搭載された“世界最小V6エンジン”「6A10」だ。その排気量は1.6リッターで、V6から想像されるキャラクターに合わせてセダンボディだけに設定されることになった。 1995年にフルモデルチェンジした5代目ミラージュでは、1.8リッターに排気量アップしたV6エンジンが搭載されるなど、この時期のミラージュには上級志向のコンパクトカーというイメージが強かった。しかし、それが仇になった。日本においてはバブル崩壊以降、そうした贅沢なコンパクトカーへのニーズが小さくなり、ミラージュには時代とズレたモデルという印象が強くなっていく。 結果として、この5代目が2000年に販売終了すると、日本からはミラージュというモデルは消えてしまった。それが復活するのは、冒頭に戻って2012年8月のことであった。