たった1台のクルマが世界の自動車の流れを一変! 平成以降のエポックメイキングなクルマたち
この記事をまとめると
■100年以上にわたる歴史の中で多くのクルマが誕生してきた■なかには自動車史に大きな影響を与えたクルマも存在する■この記事では平成以降のエポックメイキングなクルマを紹介したい
ロードスターのリリースはメーカーの勇気!
100年以上にわたるクルマの歴史の中で、流れをガラッと変えてしまったエポックメイキングな車種がある。流線形ボディや前輪駆動など多くの部分は昔のうちに確立されたけれど、平成以降に限っても自動車業界に大きな影響を与えたクルマはいくつかある。 日本車で言えばまずトヨタ・プリウスは外せないだろう。1997年、世界初の量産ハイブリッドカーとして発売された当初はネガな意見も多かったが、2代目がハリウッドスターに愛用されたあたりから人気が上昇。プラグインやマイルドを含めれば、いまや多くのクルマがハイブリッド技術を使っている。それを考えると、改めてすごいクルマだと思う。 プリウスの3年前にデビューした同じトヨタのRAV4も画期的だ。横置きエンジン乗用車のプラットフォームやパワートレインを使って生まれた初めてのSUVなのだから。現在、多くのSUVが同様の成り立ちを持っており、前輪駆動のSUVすらあるのは、RAV4が道を切り拓いてくれたおかげである。 スポーツカーではやはりマツダ・ロードスターが思い浮かぶ。1970年代あたりからスポーツカーにも安全性や快適性が求められるようになり、オープン2シーターのライトウエイトスポーツが絶滅しつつあった時にこれを出したのは勇気があるし、フォロワーを多く生み出したというのも日本人にとっては誇らしい。
テスラ・モデルSは現在のEVのベンチマーク
外国車ではまず、テスラ・モデルSを挙げたい。プラットフォーム全体にバッテリーを薄く敷き詰め、前後にモーターを置くという斬新なレイアウトは、その後、老舗ブランドが手がけたEV専用プラットフォームの多くに反映されているからだ。安全性に関する考え方、創業者イーロン・マスクの言動などには賛否両論があるが、今のEVのベンチマークと言って差し支えない。 ミニも取り上げておきたい。横置きエンジン前輪駆動の2ボックスという、現在のコンパクトカーの定型を確立したクラシック・ミニももちろん偉大だけれど、そのデザインを巧みにモダナイズし、スポーティなプレミアムコンパクトとして生まれ変わらせたBMWのプロデュース力もたいしたものだ。 もちろんそれ以前から、日産Be-1などレトロデザインの車種はいくつかあったが、ここまでストレートにセルフカバーしたのは例がなかった。同様の手法では最近でもランボルギーニ・カウンタックが出ているし、次期日産フェアレディZもこの路線と言える。 個人的には未来の移動の楽しさを予感させてくれるようなデザインにも興味はあるけれど、電動キックボードなどに比べれば、クルマは長い歴史を持つ乗り物でもあるわけで、その歴史を使って魅力を発信するというのは理解できるものだ。