パワーが上なのに燃費も上という例も! 排気量も気筒数も同じなのにクルマの燃費が異なる理由

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この記事をまとめると

■似たようなスペックのエンジン同士で燃費が結構異なるケースがある■パワーが出ていて燃費も良いエンジンは熱効率が良い証■まだまだガソリンエンジンには伸び代があると考えられる

似たようなクルマでも燃費が異なる謎は設計にあり

 燃費にはエンジンはもちろん、車重や空力、タイヤ、駆動方式などいろいろな要素が絡んでいて、エンジン単体で比較することは難しいが、それでも同じ排気量、同じ気筒数、同じようなパワーでもけっこう差がついていると、なにが影響しているのか気になるところ。 たとえば、1600ccクラスでいえば、ホンダのシビックタイプR(EK9)に搭載された傑作エンジン「B16B」は、185馬力もあるのに燃費も13.6km/Lとハイスペック。 同じ時期に日産のサニー(VZ-R)に積まれたSR16VE型エンジンは、175馬力だったのに燃費は11.8km/Lと、パワーも燃費も劣っている(いずれも直列4気筒のNA)。 また、2.5リッターターボの280馬力の直6だと、日産スカイライン=ER34のRB25DETが、10.6km/L。トヨタの1JZ-GTEを積んだJZX100チェイサーが10.2km/L。同じエンジンのJZZ30ソアラだと9.3km/Lに……。 それぞれのエンジンを比較してみると、まず日産のSR16VEは、ボア・ストロークが86.0mm×68.7mm、ボア・ストローク比が0.80と、ショートストロークの高回転型エンジンだというのがわかる。 それに対し、ホンダのB16Bは、ボア・ストロークが81.0mm×77.4mm、ボア・ストローク比が0.96とスクエア型に近く、実用域のトルクを出しやすい。しかもB16BはVTECなので、低速トルクと高回転高出力を両立しているのが強味。 スポーツ走行でのハイパワーはもちろん、実燃費の良さにも定評がある。同じ1600ccのスポーツカーでも、B6エンジンを積んだNAロードスターなどは、カタログ値はともかく、実測ではパワーは100馬力ちょっと。なのに燃費は実測で10km/Lと、B16Bに大差をつけられている……。 2.5リッターターボのRB25DETと1JZ-GTEは、どちらもボア・ストロークが86.0mm×71.7mmで、ボア・ストローク比0.83と同じスペック。圧縮比も基本は同じ(9.0)。いわゆるショートストローク型エンジンなので、あまり燃費向きのエンジンではない。

燃費が良くてパワーもいいエンジンが熱効率の良いエンジンの証

 こうしたわかりやすいスペック以外に、エンジン単体ではどこで燃費が変わるのか? 燃費がよくても遅いエンジンでは魅力がないので、パワーと燃費が両立できる条件を考えてみると、それは一言でいうと高効率のエンジンと定義できる。それば別のいい方をすると、熱効率のいいエンジン。熱効率のいいエンジンの条件は、下記の6つと言われている。

・圧縮比の高いエンジン(燃焼室の小さいエンジン)

 燃焼室がコンパクトだと混合気の燃焼温度と圧力を高くすることが出来る。

・燃焼室内の凹凸が少ない

 燃焼室内の凹凸が少ないと、火炎速度が速くなり、燃焼室の壁から逃げる熱も最少になる。

・燃料を早く燃やせる

 多穴式インジェクターなどで霧化が細かいと、燃料をより短時間で燃焼させられる。

・吸気・排気の抵抗が少ない

 吸気効率、排気効率がよく、吸排気損失が少ないエンジンは熱効率がいい。

・エンジン本体の機械的損失が少ない

 熱効率のうちおよそ6%は摩擦で損失している。ピストンの摺動抵抗やメタル類の摺動抵抗、動弁系のフリクションにクランクシャフトの攪拌抵抗(オイル)など、いいエンジンほどフリクションは小さい。

・補機駆動系の損失が小さい

 オルタネーターやウォーターポンプ、エアコンのコンプレッサーや油圧のパワステなども燃費に影響するフリクション。熱効率のうちおよそ6%は摩擦で損失している。ピストンの摺動抵抗やメタル類の摺動抵抗、動弁系のフリクションにクランクシャフトの攪拌抵抗(オイル)など、いいエンジンほどフリクションは小さい。 その他、部品の軽さなども大事だが、高効率を突き詰めていけば、パワーと燃費は両立できる。温暖化対策のためにEVへのシフトが加速化しているが、ガソリンエンジンだってまだまだ可能性があると思うのだが……。

  • 排気量が同じでも燃費が異なる理由
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