「当たり」「外れ」は過去の話? 同じ車種とグレードなのに個体差が生じる理由とイマドキの状況

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この記事をまとめると

■同じ車種・グレードでもクルマには当たり・外れが存在すると言われる■これは製造公差として認められているもの■改善されているとはいえ、今でも個体による差は存在する

クルマには製造公差が認められている

 クルマ好きでなくても、口にしたり、耳にするのが「このクルマ外れ」という言葉。最近では少なくなったとはいえ、まったく聞かなくなったわけでもない。そもそも工業製品で、当たりや外れというはあるのだろうか? あるとしたらなぜ発生するのだろうか? 結論から先に言うと、工業製品である以上、当たり外れはある。最近は少なくなったものの、理屈からするとまったくなくすことはできない。超絶技法をもった匠がいたとして、何年もかけてひとりでクルマを作り上げればないかもしれないが、それは無理があるし、クルマというのはその対極にある大量生産を前提とした工業製品だ。 ほぼあらゆる工業製品には公差というものが定められていて、これはいわゆる許容される誤差の範囲。ピストンがあったとして、設計上の直径が100mmだとしても、コンマ数ミリの幅でばらつきが認められている。 この公差も設計上許されているものなので問題はないし、たとえばピストンひとつだけならなんの問題もない。ただ、とくにメカ部分の場合、多くの部品を組み合わせて作るので、もしも組み合わせが悪かった場合、トラブルまではいかなくても調子や燃費などがよくないことなりうる。

チューニングによって改善されることも

 もちろん組み立て時の技量などに左右されることは、現在でも完全には解消できていない。差が出やすいボルトやナットの締め付けトルクも、実際の数値を通信で飛ばして管理しているほどだが、今でも匠と呼ばれる「熟練工」がいることからもわかるように、やはり技術の差は発生している。部品の精度、組み立て技量などが複合した場合、ハズレとなる可能性があるし、その逆に当たりもありうる。 チューニング、とくにNAの場合、ピストンの重量合わせやメタル合わせなど、バランスを重視した作業が多く、一見すると体感できるような効果があるのかな、と不思議に思うこともあるが、パーツ毎の公差のばらつきを小さくしていると言ってよく、その結果、意図的に当たりエンジンを作っていることになる。 最近は、素材や工作精度、生産技術も向上したことから、生産上のばらつきはかなり小さくなっているし、当たり外れが体感できるほどではなくなっている。しかし、わかるわからないは別にして、存在することは確かだし、逃れることはできないだろう。 もちろん公差の範囲内に収まった部品を使っているので製造上ないとされ、なんとなくハズレのような気がするではメーカーやディーラーも取り合ってくれないので、あしからずだ。

  • クルマの「当たり」「外れ」は今でも存在する
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