自称業界通の同伴! 女性担当者に嫉妬! SNS情報の提示! 新車ディーラーマンが本音で語る「苦手な客」
この記事をまとめると
■新車ディーラーのセールスマンにも苦手だと感じる客が存在する■詳細不明のSNS上の情報を突きつけられるなど現代ならではのケースも■なかには知り合いだからと割引きをせがんでくる人もいるようだ
詳細不明のSNS上の情報を突きつけられるケースも
新車販売のプロであるのがディーラーのセールスマン。プロとしてのプライドもあり、お客のえり好みはできないが、「苦手だなあ」とするお客はいるようだ。 まずはクルマを単なる日常生活のなかでの移動手段の“道具”として割り切って日々乗っているようなお客。クルマに対し愛着や趣味性などは何も感じず、メーカーや車種なども気にしないと言った人がここのところは目立ってきているようだ。このようなケースでは、購入したクルマを10年以上乗り続け、致命的な故障で多大な修理費がかかるとか、ついに動かなくなったといった理由で新車購入のためショールームを訪れることが多いと聞く。「気に入った新車があるなど、積極的な理由での乗り換えではないですし、そもそもメーカーや車種にも興味のないお客様もいらっしゃいます」とは現場のセールスマン。「ここにはどんなクルマがあるのですか」といってショールームを訪れるそうだ。「そうなると、取り扱い車種を説明し、どんなタイプが希望なのかお聞きしますが、『わからない』と返答されることもあります。そこで、日常生活でどのように使われているのかをお聞きしてから、こちらから車種のご提案をさせていただきます。そして、そこから具体的な値引き交渉などに入りますので、その後ご契約をいただいたとしても、トータルで4時間ほどかかることもあります」とは前出セールスマン。とにかく時間がかかるのが堪えるようだ。 商談の合間に、「SNSによると」などと頻繁に口にするお客も警戒されるようだ。「SNSでの“新車購入体験記”のようなものを参考にされると、『この人は50万円値引きしてもらったと書いている』などと言われるそうです。そもそも、その50万円引きの内容がわかりません(単純に車両本体価格からだけなのか、下取り車の高取りを含めた値引き総額なのか)。さらにSNSの情報を重視しているということは、本人もSNSで商談の様子を情報発信している可能性があるので、そうなると警戒して値引き条件も控えめにすることもあるようです。つまり、積極的に受注はとりにいかないと判断することもあるようです」とは事情通。
「知り合いだから値引きしてくれ」という客も
家族全員でショールームを訪れるのは歓迎されるようだが、“自称値引き通”みたいな知人を同伴してくるのは逆効果になりやすいとのこと。「このようなケースでは、購入決定者がご本人なのか、知人の方なのかよくわかりません。職場の先輩など上下関係があれば。たとえご本人がクルマも気に入り、条件も納得していても、知人がNGを出して、それに従ってしまうケースもありますからね」とは前出セールスマン。 セールスマンの友だちの友だちレベルで面識もないのに、「知り合いだから思い切り値引きしてくれ」と言ってこられるケースも、困ってしまうケースのひとつ。血縁関係があれば上司も“血縁値引き”のようなスペシャルオファーを出してくれやすいようだが、単なる知人でしかも面識がないと、「知り合いなら値引きを抑えて買ってもらうように協力してもらえ」となることもあるようだ。知人といっても、血縁の有無や、当該セールスマンとの距離間で、その対応はかなり変わってくるようである。 女性、とくに若い女性セールスマンでは、配偶者やパートナーとなる、おもに女性が思わぬ“商談の壁”になることもあるようだ。「女性セールスマンが男性配偶者もしくは男性パートナーに色目を使っている」とクレームになることもあるとのこと(たいていは思い込み)。「ディーラーの女性セールスマンを見ていただければわかりますが、化粧や髪型などを控え目にしている人が多いはずです。これは妙なトラブルを回避する意味もあるようです」とは事情通。 昭和の名残りで、ライバル車を5台も6台も用意して値引きを競り合わせる人も歓迎されないようだ。「80年代の香りが強く残る新車販売の世界ですが、それでもいまや商談前にインターネットを活用して、本命車一本か、せいぜい兄弟車をライバルとして絞り込みを行い、さらには見積りシミュレーションを活用して、予算も絞り込まれるお客様が目立ちます。新車販売現場はセールスマン不足もあり、1件あたりの商談時間を短めにして効率的な販売活動が要求されております。それなのにライバル車が5台も6台もあれば、『結論出るまで時間がかかる』とか、『まだ購入意思がはっきりしていない』といまどきは判断されることになり、好条件獲得には不利に働きやすいですね」(前出セールスマン)。 セールスマンが苦手に思わないようにふるまえと言っているわけではない。ただ、ここで紹介したいくつかの例は、作為的に展開しているものもある。そのようなケースはたいてい“策に溺れる”という結果になりやすいので、それは慎重に判断してもらいたい。