1回消えたが再復活! 1周回って斬新感のあるクルマの装備4選
この記事をまとめると
■世間にブームというものがあるようにクルマ業界にも流行がある■かつて一世を風靡したものが再びブームになることがある■登場が早すぎた技術や装備にようやく時代が追いついて再脚光を浴びることがある
ダサいと廃れたものも一周まわれば斬新に!
ブームというのには何事も流行り廃りがあるもの。かつて流行ったものが、ピークを過ぎれば人気が陰り、それが時を経て再び脚光を浴びることもある。そうした一周回って再ブーム(?)となっているものをいくつかピックアップしてみよう。
1)字光式ナンバー
字光式ナンバープレートは、降雪時にナンバーの視認性を向上させるために、1970年代に北海道から導入され、その後全国に広まり、新しい物好きの間で流行した時期があった。しかしその後、ナンバーが目立つ(光る)のはダサいといったイメージが広がり少数派になっていった……。 ところが2000年代に入り、軽自動車用の字光式ナンバーが登場したことで、じわじわ装着車が増えてきている。軽自動車のナンバーは黄色地に黒の文字なので、普通車のように数字部に光を透過させ発光させることができなかったが、旭化成テクノプラスが皆既日食の“ダイアモンドリング”をヒントに文字の輪郭を発光させるというアイディアから軽自動車用字光式ナンバープレートの製品化に成功。 光源自体も電球式からLEDに代わってきており、新たな光りモノとしてドレスアップパーツにもなってきている。 ちなみに「電光ナンバー」「光るナンバー」と呼ばれることもあるが、「自光式」と書くのは間違い。「字光式ナンバープレート」が正式名称。 新車購入時でなくても、あとから字光式ナンバーに換えることも可能。運輸支局への申請が必要で、申請料とナンバー、照明器具で3~4万円ぐらいの費用がかかる。 以前は普通のナンバーから字光式ナンバーに交換すると、ひらがなや分類番号は変わってしまったが、現在はすべての記号や数字をそのまま字光式ナンバーに引き継げる。
2)ポップアップルーフ
屋根が上に開くことで就寝スペースを拡張・確保するポップアップルーフ。 日本では1995年に他社に先駆け、マツダがボンゴフレンディに純正採用。電動でルーフが競り上がるオートフリートップ(AFT)だったこともあり、大いに注目を集めた。 その後、ホンダがオデッセイとステップワゴンに「フィールドデッキ」という名でポップアップルーフ仕様を投入。スバルドミンゴにもキャンパー仕様の「アラジン」というポップアップルーフ車があった。 これらのクルマのあと、国産車のカタログモデルからはポップアップルーフ仕様は姿を消すが、最近のオートキャンプブームに合わせて、軽自動車ベースのキャンパーや、ミニバンベースのキャンパーで定番のカスタマイズになりつつある。
最初のブーム時とはまるで性格が変わって流行する技術も!
3)ターボ
1979年、430セドリック/グロリアに国産初のターボエンジンが採用されて以来、ブルーバード、スカイラインもターボ化され、1980年代の国産車は、軽自動車から高級車、スポーツカーまでターボエンジン全盛期を迎える。 平成に入ってもその勢いは衰えなかったが、平成12年排出ガス規制を受け、ハイパワーターボ軍団は相次いで生産中止に……。さらに平成17年排出ガス規制でとどめを刺され、ターボ王国日本のターボエンジンも激減してしまう。 一方で欧州では2000年代に入り、小排気量エンジンで低燃費低排出ガスを狙い、それをターボ化することで、パワーやトルクを補う「ダウンサイジングターボ」を採用する車種が増えてくる。「ターボ=環境に悪い」という図式から、「環境にいいターボ」という転換によって、再び市民権を得て、高効率のターボエンジンが開発されるようになってきた。
4)AT
ひと口にオートマといっても、従来からあるトルコン式のATに加え、無段階のCVT、そして2枚の乾式クラッチを使ったDCTなどいろいろある。 一時期、これからはCVTやASG、DCTの時代になるのではと思われたが、8速、9速、10速という多段ATが出てきて形勢が逆転。国産メーカー各社をはじめ、ベンツなど海外のメーカーでも多段ATを採用する動きが見られるようになった。 多段化したATは、レシオカバレッジ(適用可能な変速比の範囲 最低速段÷最高速段の値)が大きくできるので、エンジンの回転数が低いまま走れる車速の幅が広くなり、滑らかでスムースな走りが可能になる。 このように多段ATは、つねに低い回転数でなおかつ一定の回転数をキープできることで、燃焼もきれいで燃費面でも非常にメリットが大きい。静粛性も優れ変速ショックも小さいので、この先も当面は多段ATが、オートマの主流になりそうだ。